顛末書の書き方

顛末書とは、仕事上、ミスや不始末、不祥事、あるいはトラブルが発生したときに、 自らの会社(社内)、職場、勤務先に対して、問題やトラブルの一部始終を報告するための文書。あるいはトラブル報告書のことをさします。
このページではどんな時に顛末書が必要なのか、盛り込むべき内容はどんなことなのか、書式はどんなものが良いか等について顛末書の書き方のサンプルを示しながらご説明しています。
………「顛末書」のページの内容………
1. 顛末書ってなに?
2. 顛末書を出す時期
3. 顛末書を作ってみよう
4. 顛末書の文例①
5. 顛末書の文例② 次のページへ
6. 顛末書の提出 次のページへ

1.顛末書(てんまつしょ)ってなに?顛末書とは

◎顛末書(読み方は「てんまつしょ」)は、ビジネス文書のひとつです。
  以下ののような場合に提出を求められます。

[※顛末書と始末書の違い]
一部の企業では、「顛末書」と「始末書」がほとんど区分けなく使われますが、 厳密に言うと、始末書は、不始末やミスやトラブルを詫びる反省文的な色あいが濃く、顛末書は、なぜそうなったのかを報告する意味合いが濃いものになります。
そのため、顛末書という名称は、役所や公的機関などに提出する報告書類の名称にも用いられています(例えば免許証やパスポートなどの再発行を申請する際の「紛失顛末書」など)。
一方、始末書は社内処分を伴うような場合に、反省文として多く用いられます(例えば、懲戒、訓告、戒告その他)。 (※なお、始末書、反省文の書き方については別ページで説明しています>>

【顛末書】…仕事上、ミスや不始末、不祥事、あるいはトラブルが発生したときに、会社(社内)に対して、問題やトラブルの一部始終を報告するための文書。トラブル報告書。

◎また、取引先や、お客様に対するお詫びの書面は、一般的に「詫び状」あるいは「謝罪文」などと呼ばれます。 (※なお、詫び状、謝罪文例については別ページで説明しています>>
顛末書の使用例]
商品やサービスに不備、不具合があった場合
事務処理や手続き上のミスがあった場合
事故や不祥事があった場合
上記のようなとき、
(1)いつ、どこで、どのようなことがおこったのか
(2)被害や損害の程度はどのくらいか
(3)現状の対応はどうなっているか
(4)今後の対策はどうするのか
(5)担当者としての意見

などを記載して提出します。


[顛末書を出す際の注意点]
報告書の書き方で最も求められるのは、客観的で公平な立場からの視点です。そのため、必ずしも事故やトラブルの当事者本人でなくとも、最も適任と思われる立場の人が作成することが求められます。
ここ数年、企業はいざというときの対応能力が求められて来ています。

・ 何が問題で、原因は何か、どこに責任があるのか、
・ どんな対策が必要か、
・ 優先順位はどうか、といった点を見極めることも必要です。
特に、原因究明と再発防止の対策書的な側面は絶対に欠かせません。


[顛末報告書の活用]
できれば、その不祥事や事故やトラブルの対策をたてたあと、きちんと実行がなされているかの検証もきちんと行いたいものです。定期的にデータ取りをしたりアンケートを行うなどの方法で、再発防止または改善がきちんと行われているのかを確認していく作業も忘れずに行います。
顛末書のデキをワンランク上のものにするためには、こうしたデータ取りのためのフォームやテンプレートなども作成し、添付して提出します。

なお、人命にかかわる事故や、故意による情報改ざんや、商品の欠陥などに由来する重篤な健康被害などが生じた場合には、公的機関への届け出や、法的な手続きが必要になります。もちろん社内的な報告は必要になるわけですが、このページでは、公的機関への届け出や法的手続きに必要な報告書のサンプル(見本)や文面を紹介しているわけではありませんので、あらかじめご了承下さい。
【はみだし知識】
1)経緯書…いわゆる経緯報告書とも呼ばれるもので、物事がそこに至るプロセスを説明するために提出する書類のことをさします。具体的に用いられる例としては、
・保険金請求経緯書(→保険会社に対し、被保険者が保険金請求に至る経緯を書いて提出するもの)
・入国経緯書(→入国管理局に対し、結婚等の、入国するに至った経緯を書いて提出するもの)
・経緯書(→ 証券取引所に対し、情報開示が不十分な場合に、なぜそうなったかについての経緯および改善策を提出するもの)
などをさします。
こうした経緯書は、「企業において不祥事やトラブルの一部始終を報告する書類である顛末書」とは異なり、不祥事やトラブル以外のケースにも用いられます。

2)顛末書…読み方は「てんまつしょ」です。顛末書の「顛」という字には、てっぺん。先端といった意味があります。「末」はご存じのとおり、最後、はし、すえ、などの意味がありますから、「顛末」 (てんまつ)で、はじめからおわりまでをさします。顛末書は、ことのはじめからおわりまでを報告する書類ということになります。

2.顛末書を出す時期

顛末書は、事故やトラブルがわかったらすぐに、あるいは、対応を終えたらすぐに、なるべく早く出します。
但し、「顛末」という言葉のとおり、ある程度事態が終息してから提出するのが原則ですので、もし、何らかの継続した調査が必要な場合には、まずは別 の形での迅速な報告を心掛け、顛末書はあとにまわすことになります。いずれにしてもできるだけ早く上司に申告、報告をし、全社的に再発防止と改善に努めることが重要です。
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3.顛末書を作ってみよう
(顛末書の書き方、文例、例文、雛形)

下記にご紹介するのは、顛末書の代表的な文例、例文です。
業務上(ビジネスシーンで)必要な時に参考になさってください。

パソコン、ワープロ等で作成し、担当者が捺印をします。
事故やトラブルの大きさによって、差出人が変わってきます。
一担当者のレベルで良いものや、該当する部署の責任者名で良いもの、代表者(社長)名で出さなくてはいけないものもあります(=下請け会社が親会社に出す場合など)

4.顛末書の書式(様式)例文1

ケース1  「工場内で、フォークリフトと作業員の接触事故があった場合』の顛末書の例
例 文
平成◯◯年◯◯月◯◯日
代表取締役社長 山田正男様
◯◯工場 管理部
高橋 末雄 
顛末書
このたび◯◯工場内で発生した接触事故に関しまして、早速調査いたしました。その結果、事故の原因究明と、再発防止のための対策を講じることができましたので、下記のとおりご報告申し上げます。
1. 事故発生日時:平成◯年◯月◯日 ◯時◯◯分頃
2. 事故発生場所:◯◯工場パッケージライン◯◯付近
3. 事故内容:フォークリフトと作業員の接触事故
       作業員一名が左足ねんざ、および擦り傷
4. 当事者氏名:
   フォークリフト乗務員 /◯◯運輸社員 鈴木◯男
   怪我をした作業員 当社パート従業員 佐藤◯子
5. 事故の原因
事例 通常フォークリフトは、動線として構内のイエローテープにそった運行が義務付けられている。
当日は鈴木が運搬中の資材の積み上げ方が不安定であったため、落下しそうになった資材のバランスを保とうとした鈴木が急にスピードをあげ、イエローテープをはずれて運行したため構内で作業をしていた佐藤に接触してしまった。
6. 負傷の程度:
事例 治療した◯◯医院の◯◯医師の診断書(添付書類参照)によれば、3日間の安静および通院を含み、全治3週間との診断を得ている。
7.  現状の対応:
事例鈴木の処分は、◯◯運輸に一任。現在は自宅謹慎中。
佐藤に関しては、自宅にて安静加療中。
佐藤の担当業務に関しては、B班内でシフトを組みなおして対応することにした。
8. 今後の対策
事例 ・事故後、鈴木に話を聞いたところ、作業マニュアルよりも積み段数が多い状態で運搬をしていたことが判明したため、フォークリフト全台の支柱部分に、積み段数の高さの目安をカラーテープで貼った。
・積み込み場所には、目につきやすいカラーボードに、作業マニュアルにて指定した積み段数を掲示した。
・積み込み場所から構内に入る入口のところにミラー(鏡)ボードをつけ、フォークマンが、積載後に異常が無いかを目視で簡単に確認できるようにした。
・フォークリフトが、構内のイエローテープをはずれて作業をするとエラー音(警報)が鳴るシステムを導入した。
(エンジニアリング部の協力により内作)
当工場始まって以来、初の人身事故です。周りにいた作業員が大声で静止したため、大事故にならずに済みましたが、二度とくりかえすことが無いよう、昨日職場ごとの安全会議を行ないました。
会議後、佐藤宅に見舞いに行き、本人にはお詫びと報告を致しております。なお、佐藤の怪我については、総務部近藤に労災を視野に入れた処理を依頼しています。
以上
ポイント
◉宛名は、社長あての場合が大半だが、場合によっては、支店長、支社長あてや工場長あて、所長あてなどのケースもある。
◉「顛末書」というタイトルは必ず必要。行の中央に書く。
◉ビジネス文書なので時候の挨拶は不要。
◉頭語と結語「拝啓」+「敬具」も不要。
◉トラブルや事故の具体的な内容、経緯、結果 、対策などを箇条書きで述べる。
◉現状の対応と、再発防止のための対策に触れる。
◉報告者自身のコメントや意見があれば入れる。
※重要なのは、なぜこうしたことが起きたのか、原因をしっかりと見極めて、同じ事故やトラブルを二度と繰り返さない事です。
原因がわかれば、対策をうつこともできます。会社にも安心してもらうことができます。
解説(書き方)
企業によっては、「事故報告書」という名称で書式が決まっているところもあるかと思います(事故報告書の書き方については「始末書」のページも参考になさってください。>>>)。
それでは、以下で項目別に詳しく解説します。
1. 宛先
宛先を社長名にする場合が多いようです。場合によっては支店長、所長、工場長あてなどの場合もあります。
下の例のように、社名まで記載する場合もあります。
・社長あての場合… □□□□□株式会社
代表取締役□□□□
・支店長あての場合… □□□□□株式会社
□□□支店
支店長 □□□□
2. 作成日または提出日.作成者を明記
・顛末書の作成日または提出日は必ず記載します。

・作成者の担当部署名および氏名を明記します。名前の横に捺印します。
企業によっては(役所によっては)関連部署の責任者の氏名と担当者の氏名を両方とも記載こともあります。上下に並べて書いて捺印する形にするか、四角いマス状の記載欄を作る等、書式をアレンジして下さい。
[責任者と担当者を上下に並べる場合の記載例]
◯◯工場 管理部
部長 山本 上雄 
課長 田中 中雄 
高橋 末雄 
3. 事実の把握
・いつ、だれが、何を、どこで、どのように、どうした。
・5W1Hにそった記述を心掛けます。
4. 原因と、現状の対応、今後の対策を示す文章を必ず入れる。
・原因がわかれば、ミスも防げるものです。 顛末書では、今後の再発防止策にも触れることが必要です。

・上記の文例では再発防止のためにいろいろなことをしています。社内で共有化し、二度と同じ事故やトラブルが無いように、業務を改善してゆくのが本当のねらいです。  
5. その他
・社内で見つかったトラブルや事故について、原因を分析し、対策をたて、その後どうなったかを追跡することが必要です。結果 として良くなったのであれば「改善報告書」といった形で必ずフィードバックしましょう。  
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