お返し》マナーやお礼状・内祝いについて解説します

 お返しとは頂いた贈り物や行為への返礼としての品物や行為をさします。贈り物やお祝いやお見舞いを頂いたら、おつきあいの上からも、頂きっぱなしというわけにはいきません。すぐに「お礼の手紙を出す」または「お礼の電話をかける」のは基本中の基本です。
 子供の成長のお祝い(初節句、七五三や入園入学祝)や、父の日・母の日の贈り物、お中元・お歳暮には基本的にはお返しは不要です。このページではさまざまなお祝いや冠婚葬祭の行事における贈り物のお返しのマナーについてご紹介しています。

■1.お返しと内祝い

内祝いとは
「内祝」という表書きは、お祝いを頂いたお返しとして良く用いられますが、本来は「自分の家のお祝い事の記念に、親しい人に贈り物をすること、またはその品物」をさします。
つまり、現代では[「お祝い返し」のことだと思っている方も多い「内祝い」は、もともとは(お返しではなく)お祝いの記念に配るものなのです…ということは「幸せのおすそ分け」 ですよね。そう考えるとお返しをすることも楽しくなってきませんか?
御祝いを頂いた相手だけに限定せず、(例えば赤ちゃんが生まれたというお祝いや、長寿のお祝いの時など)お祝いの記念として親族や知人に内祝いを配ることもあるのです。
なお、お返しとは頂いた贈り物や行為への返礼としての品物や行為をさします。
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■2.結婚祝いのお返しのマナー(結婚内祝い)

結婚祝いをいただいた場合には、「披露宴」に招き、「引出物」を渡すことがお返しとなります。
もしお招きできなかった方からお祝いを頂いた場合には品物でのお返しが必要です。遅くとも結婚式の1か月後くらいまでには贈るようにしましょう。
一方、結婚式披露宴に祝電を頂いた場合には、祝電のお返しは必要ありませんが、結婚の報告と挨拶を兼ねてお礼状は必ず出しましょう。
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▼結婚お祝いの品物やお祝い金を頂いた方とのおつき合いの程度や、
品物を頂いたタイミングに応じて、お返しも考えなくてはなりません。

 結婚式のお返し(結婚のお返し)についてご説明します。

●結婚祝いのお返し

結婚祝いのお返しマナーとポイント
結婚祝いの品物をいただいたら、お礼状はなるべく早く出しますが、それとは別にお返しをします。
(※結婚祝いのお礼状、お礼の手紙の書き方>>>
●披露宴にご招待する
 ・ご招待することと、お料理や引出物が、結婚祝いを頂いたお返しになります。
●新居にお招きする・職場などで、みんなでお金を出し合って結婚のお祝いを頂いたような場合には、こうしたお返しでも良いでしょう。
●新婚旅行にお土産を買ってくる
●内祝いを差し上げる
 ・結婚式にお招きできなかった場合には、挙式後1ヶ月以内くらいまでに品物をお送りします。
・ のしは白赤または金銀の結び切りで表書きは「内祝」とします。
下段に本人たち2人の名を書きます。
・費用のめやすは、頂いた金額の半分〜1/3程度を目安にします。
・お返しの品は、実用品を中心に選びます。
※結婚祝いを頂いたお礼状の文例ページへ>>>

■3.出産祝いのお返しのマナー(出産内祝い)

 
出産祝いをいただいた場合には、できれば生後1ヵ月ころにはお返しをします。
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▼出産のお祝いをいただいた方とのおつき合いの程度や、品物を頂いたタイミングに応じて、お返しも考えなくてはなりません。

●出産祝いのお返し

出産のお祝いお返しマナーとポイント
出産祝いの品物をいただいたら、お礼状はなるべく早く出しますが、それとは別にお祝いを下さった方全員にお返しをします。
(※出産祝いのお礼状の書き方はこちらで詳しく説明しています>>>
●内祝いを差し上げる
 ・出産祝いを頂いた場合には、生後一ヶ月くらいまでにお返しの品物をお送りします。
・ のしの水引きは紅白の蝶結びで表書きは「内祝」とします。
下段には赤ちゃんの名前を書きます。読み方が難しい場合には、必ず読みがなをつけます。
・費用のめやすは、頂いた金額の半分〜1/3程度を目安にします。
・出産祝いのお返しの品は、赤飯や鰹節などの縁起の良いものや、海苔、石鹸、タオル など実用品が一般的です。
 お礼の手紙と一緒に、スナップ写真でも構いませんので赤ちゃんの写 真を添えると更に喜ばれるでしょう。
※出産祝いを頂いたお礼状の文例ページへ>>>

■4.長寿祝いのお返しのマナー(還暦のお返し他)

長寿祝いをいただいたお返しとしては、記念の品を「内祝」として配ることがあります。
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●長寿祝いのお返し

長寿祝いのお返し マナーとポイント
●家族からもらう長寿のお祝いに対してはお返しはしなくても構いませんが、還暦、古稀、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿など、節目となる長寿祝いの場合には、記念の品を内祝いとして配ることがあります。内祝いを贈る時期としては、当日もしくは、その後なるべく早く行います。
●白赤の蝶結びの水引きで表書は「内祝」または「寿」。
 そのほかに、例えば還暦祝いのお返しなら「還暦内祝」のように「○○内祝」といった書き方をすることもあります。
 記念品として、茶器、ふろしき、ふくさなどを一律に配る場合があります。

■5.就職祝いのお返し

就職祝いについては、おじいちゃん、おばあちゃんや、おじさん、おばさん、お兄さん、お姉さんなど、家族や親族からいただくことが多いと思います。
まずはすぐに本人から先方にお礼の電話をかけさせましょう。品物でのお返しは金額よりも気持ちで。
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●就職祝いのおかえし

就職祝いのお返し マナーとポイント
「内祝」という形式にこだわらず、いただいた本人が初めての給料で無理のない金額の品物を買い、お礼と報告をかねて持参するのがベストです。
●内祝いを差し上げる
 ・初めての給料で、無理のない金額の品物を買い、お礼と報告を兼ねて持参します。お礼の品は、金額にこだわるよりも就職が決まったことを改めて報告するような気持ちで。
・ のしをつける場合には、のしの水引きは紅白の蝶結びで表書きは「内祝」とします。
・遠方にお住まいの場合、持参できないときは、お礼の手紙と一緒に無理のない金額の品物を贈ります。
手紙ではぜひ近況報告もするようにしましょう。
・初月給は出勤日数が足りず、金額がかなり少ないものです。社会人一年生は服飾費などの出費もかさみますし、なかなか費用の捻出が難しいかもしれませんね。金額の多い少ないは気にせず、遅くとも初ボーナスの頃までにはお礼をしましょう。

■6.成人祝のお返しのマナー

成人祝いを頂いた場合のお返しについて説明しています。
相手がごく親しい間柄ならお返しは不要です。
まずは本人からお礼の電話をかけさせます。それとは別 にお礼状を出すようにしましょう。
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●成人祝いのお返し

成人祝いのお返し マナーとポイント
●親しい相手にはお返しは不要。
 
●もしお返しをする場合ののしの表書は「内祝」となります。
●のしの水引きは紅白の蝶結びで、下段には成人式を迎えた本人の名前を書きます。
●お返しの品は、頂いたお祝いの半額〜1/3くらいの金額がめやすとなります。
●お返しの品物を贈るときには、成人式等で撮影した写 真(大げさなものでなくてもスナップ写真でも)を添えると良いでしょう。
【ワンポイント】
●「内祝い」には、お返しのときの表書き以外にも用いることがあります。
以下の1のように、お祝いを頂いていない相手に記念品やお祝いの品を渡す時にも用いられるのです。なお、お返しをする歳の表書きで用いるのは以下の2.に該当します。
1. 自分の家・家族のお祝い事の記念に、親しい人に贈り物をすること、またはその品物を内祝いという。
……成人祝いの内祝いは、お祝いを頂いてない相手にも配ることがあります。
[成人祝いの内祝いの例]赤飯、和菓子など
2. お祝いやお見舞いに贈り物を頂いた場合のお返しの品物を内祝いと言う。
 

7.不祝儀のお返し・香典のお返しのマナー

通夜、葬式・葬儀でお香典などの不祝儀をいただいたら、半返し(または1/3)という形でお返しをするのがマナーです。
ただし、一家の働き手がなくなった場合などで、頂いた不祝儀を子供の養育費に当てるような場合はお返しは不要です。また、お返しを辞退された方にはありがたくお気持ちを尊重します。
(お返しをしない場合には、頂戴したご芳志を、子供達のためにどういった目的に活かすことにしたのか、お礼状の文中でふれるようにしましょう。)
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香典のお返し・不祝儀のお返し

●通夜、葬式葬儀で頂いた香典、不祝儀のお返し
不祝儀のお返しの、のしの表書きとしては「志」は宗教を問わず使われます。
  ほかに仏教では 「忌明」なども用いられます。
  水引きは白黒、双銀、双黄の結び切り。
お返しの時期
  仏式の場合は四十九日の法要の後に必ず挨拶状を添えて贈ります。
  神式では三十日祭か五十日祭の後のいずれかに。
 キリスト教では昇天祭か追悼ミサの後に贈ります。
金額の目安は不祝儀の半分から1/3程度。実用品を贈る場合が多いようです。
  弔電のみをいただいた方には礼状を送ります。
※香典返しについては、こちらで詳しく説明しています。>>>
●法事法要に参列していただいた方へのお返し
●法事に参列していただいた方へのお返しは、当日お渡しする引き出物と、お礼のお食事(お斎)となります。
●都合がつかなくて参列されない方がお花やお供えを贈って下さったり御供物料を送って下さったりした場合には、お礼状を添えてお返しをします。
●金額の目安は頂いたお花や御供物料の1/3程度。実用品を贈る場合が多いようです。法事の引き出物や上記のお返しの品の表書きは「志」「粗供養」などです。

■8.お見舞いのお返しのマナー

お見舞いを頂いた場合のお返しについて、ご説明いたします。
お見舞いをいただいた方に、「病気が全快しました」という報告とお祝いをかねてお返しをする場合には「快気祝」「快気内祝」となります。
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●病気見舞いのお返し

お見舞い返しのポイント
●お見舞いをいただいた場合には、まずはお礼状を出します。
お心づかいをいただいたお礼と、病気や怪我の回復具合などを伝えます。本人が書くのが難しい場合には家族が代筆しても良いでしょう。
●お見舞いお返しのことを「快気祝」と言います。快気祝いには、回復したことを喜ぶ意味があります。のしの水引きは紅白の結びきりのものを使います。
病気のお見舞いをいただいたら、お礼状はなるべく早く出しますが、それとは別にお返しをします。
●快気祝、快気内祝い・病気が全快した場合に、お見舞いを頂いた方にお返しをします。
●退院内祝・退院はしたものの、病気が全快とまではいかない場合に、入院中にお見舞いを頂いた方にお返しをします。
●御見舞御礼・まだ入院が長引きそうな場合には、お見舞いを頂いた方にお返しをします。
●快気祝の品物について・快気祝いの品は「きれいさっぱり治った」「あとに残らないもの」という意味から、食べてしまってなくなるもの、使ってしまうもの、消えてなくなるもの(菓子、石鹸、洗剤など)が多いようです。
※快気祝のページへ>>>

●病気や怪我以外のお見舞いのお返し

病気見舞いや怪我見舞い以外のお見舞いのお返しのポイント
●火災、地震など、災害や被害の際にお見舞金を頂戴した場合には、お返しは必要ありません。しかし必ずお礼の手紙を出します。

■9.開店祝いのお返しのマナー

開店祝いを頂いた場合のお返しについて説明します。
お店のご商売の種類にもよりますが、できれば、開店前にお披露目または、開店後にご招待したいものです。
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●開店祝いのお返し

開店祝いのお返し マナーとポイント
●まずは開店祝いを頂いたお礼状を出します。
●お店のご商売の種類にもよりますが、できれば開店前にお披露目の機会をつくるか、または開店後にご招待したいものです。
●業種によっては、お披露目会を開き、お祝いの記念品を配ることもあります。ご招待する方がごく内輪の方の場合には、のしの水引きは紅白の蝶結びで、熨斗の表書は「開店内祝」、お祝いを頂戴していない方や外部の方もお招きする場合には「開店記念品」などが用いられます。
●お返しの品(または記念品)の金額は、お店の規模や、お祝いを頂いた人との間柄によって異なりますが、半返し、1/3返しなどの相場にこだわったり、高価なものを差し上げる必要はありません。レストランなどの飲食店ではお招きし、おもてなしすること自体がお返しとなります。
●お招きできない方にお礼状や記念の品物を贈るときには、新しく開店したお店で撮影した写真(大げさなものでなくてもスナップ写真でも)を添えるのも良いでしょう。

10.新築祝のお返しのマナー

新居に身内や親しい人を招いて御披露目することも立派なお返しのひとつとなります。
軽いお食事や飲み物で接待します。
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●新築祝いのお返し ・新築祝い返し

新築祝いのお返し マナーとポイント
●本来は、お招きし、御披露目することが新築祝いのお返しになります。
お招きする場合は荷物も片付いた1〜2ヶ月後頃に。
(感謝の気持ちを表わすためにも)お招きする日には頂いた品物を飾っておきたいものです。
●新築後1〜2か月を過ぎ、荷物も片付いて落ち着いた頃に、御披露目をできなかった人に「内祝」を贈ります。
●水引きは紅白の蝶結びで、「新築内祝」「内祝」などとします。
●お返しの品物は、頂いた金額の半分〜1/3くらいの金額をめやすにし、実用品、消耗品、食品などを贈ります。
※新居祝い、新築祝いのお返しはこちらのページで詳しく説明しています。>>>

●引越し祝いのお返し

引越し祝いのお返し マナーとポイント
●引越し祝いのお返しも、新築祝いに準じるものです。
上記を基本にしたお返しをしましょう。
●お返しをする場合には、水引きは紅白の蝶結びで、「内祝」などとします。
●お返しの品物は、頂いた金額の半分〜1/3くらいの金額をめやすにし、実用品、消耗品、食品などを贈ります。
※新築祝いのお返しはこちらのページで詳しく説明しています。引越し祝いのお返しについてもご参考になさってください>>>

■11.初節句・七五三のお返しのマナー

子供の御祝いには原則としてお返しは不要ですが、
儀礼を重んじ、丁寧になさるご家庭ではお返しに実用品を用意します。
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●初節句のお祝いのお返し ●七五三のお祝いのお返し

初節句お返し・七五三お返し/お祝返しのポイント
●子どものお祝いにはお返しは不要ですが、お礼状を出しましょう。
ご丁寧になさるご家庭では内祝いをお返しとして贈ります。当日もしくはその後なるべく早く
●白赤の蝶結びの水引きで表書は「内祝」。下段には子どもの名前を書きます。
● 初節句のお返しではお赤飯や半額〜1/3程度の金額の実用品
● 七五三のお返しでは、赤飯や千歳飴を配るほか1/3程度の金額の実用品でお返しをします。
●子どもの成長のお祝いのお返しのお礼状には、スナップ写真などを添えると喜ばれます。
●余談ですが、子どもに関連するマナーを書きます。
・ お年玉のお返しは基本的に必要ありません。先方はお返しを期待して下さったものではないはずです。ただし、本人も両親も必ず相手の方にお礼を申し上げるというのは、基本的な礼儀です。
・子どものいないご家庭から高額なお年玉を頂いたりしてどうしても気になる…という場合には、旅先などのちょっとしたお土産を届けたりお中元やお歳暮などで心配りをしても良いかもしれません。いずれにしても、基本的にはお返しは不要です。

■12.法事のお返しのマナー

法事の際は、忙しい時間をさいて参列してくださった方へのお礼として、引出物や会食を用意します。
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.引出物の手配 (引き出物)

・法事の引き出物に使うのしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。
・引出物の品物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や食品等が良く用いられます。遠方からの方もいらっしゃるので、かさばるものは避けます。最近はカタログギフトも増えました。カタログデザインも不祝儀専用のものを揃えている百貨店やギフトショップが増えてきたようです。予算は@2,000〜5,000円程度が一般的です。
・引出物ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。
・法事の後、おもてなしの席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引出物と一緒にお渡しします。
※会食その他も含めて詳細は「法事」のページで詳しく説明しています>>>
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