万歳三唱のやり方とさまざまなシーンの挨拶文の例文を紹介

万歳三唱について解説するページです。おめでたい席や、繁栄や発展を祈る式典などで行われる万歳三唱。「ばんざい!」と声をそろえて唱えながら両手を上げる動作を三回繰り返す事を万歳三唱(ばんざいさんしょう)と言います。参加者全員で行なうため一体感がありますし、場が盛り上がり、勢いづく景気づく、といった感があります。このページでは、さまざまな万歳・万歳三唱のシーンと挨拶文の文例(例文)を紹介します。

1.万歳三唱について(ばんざいさんしょう)
  万歳のやり方と、万歳が行われるシーン

・万歳(ばんざい)という言葉は、昔は「ばんぜい」と読んだそうです。中国に起源を発する言葉で、万歳は文字のとおり一万歳という年齢を表わす言葉で、皇帝に対してしか用いなかったそうです(諸侯に大しては「千歳」という言葉を用いたそうです)。これが日本に伝わって「おめでたい場合や、長久を祈る場合」に使われるようになったと言われています。
 鎌倉〜室町の頃の軍記物の文中にも、永く栄える事や寿命などを祝う言葉として用いられています。近世になって「ばんざい」と読まれるようになってからは、おめでたい時や嬉しい時、あるいは、長く続くことを祈る時などに使います。
・「ばんざい」と声をそろえて唱えながら両手を上げる動作を三回繰り返す事を、万歳三唱(ばんざいさんしょう)と言います。三唱は三回唱和する、をさします。
「1人が語り手、残りは聞き手」という立場のスピーチとは異なり、参加者全員で行なうため、一体感があります。また、気分が高揚し、場が盛り上がります。そのため喜びの感情は一層高まりますし、勢いづく、景気づく、といった感があります。万歳三唱は以下のようなシーンで用いられます。
[万歳三唱が行なわれるシーン]
・披露宴の終盤あたりで
  (地方によって行なわれる地域と行なわない地域あり)
・忘年会、新年会で
・開店記念の祝賀パーティーで
・開業祝いの祝賀会で
・送別会で
・試合、大会、遠征などの壮行会で
・スポーツ団体・チームの祝勝会で
・選挙の当選祝いで
昔は、新婚旅行に出かけるカップルを駅のホームで万歳三唱で送り出したり…も、したそうです。
[万歳三唱のやり方]
・ 特別な作法は必要ありませんが、合図をする人(音頭を取る人)を1名決めておきます。
 基本的には起立した状態で以下のように行います。
①.全員が起立した状態で、一人が「万歳(ばんざい)」の声(合図)を発しながら、身体の脇に降ろしていた両手を、伸ばしたまま上にあげます。
②.合図のあと、一同声をそろえて「万歳」と声を発し、音頭を取った人と同じアクションをとります。
③.これを三回くりかえします
というのが一般的です。
手を上にあげる時に、手のひらを内側に向けるのが本来のやり方だという説がありますが、現代では大半の人が手のひらを前に向けてやっています。事務局では、万歳三唱に関しては、細かいことは気にせず元気良く行なうのが「歓びやお祝いの席での何よりの作法」だと思います。
・式典やパーティーの席などで、万歳三唱する場合の流れ(進行)については、この項目の下の方で説明しています。
・はみだし情報
余談ですが、中国の歴史ドラマや映画には皇帝に対して「万歳、万歳、万々歳」と唱和するシーンが出てきます。現代の日本で行われているような両手を振り上げるアクションや、全員で「ばんざーい」と唱和する陽気なイメージとはだいぶ異なるものです。興味があればチェックしてみて下さい。
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万歳三唱のながれ

進行説明
①司会者が万歳三唱の発声をする人(音頭をとる人)を指名または紹介します。
② 全ての出席者が起立します。司会者が
「皆様ご起立願います」
「皆様ご起立をお願いします」
「一同、起立!」
などと起立を促すこともあります。

 

●司会者に紹介された人が立ち上がるか、あるいはマイクのある位置まで移動する間に、全員が起立をします。
●和室の場合、乾杯は着席で行なわれる事もあるのですが、万歳三唱は、必ず起立して行ないます。
③ 万歳三唱の発声をする人(音頭を取る人)が、ごく短い挨拶を述べます
挨拶文例>>
 ●ごく短い挨拶なので、立ったまま拝聴します。
● 両手は下に降ろしています。腕組みをして話を聞くのは失礼にあたります。指を前で組むくらいならよいでしょう。
④ 万歳三唱の発声をする人(音頭を取る人)が、
挨拶に続き「万歳!」
と発声しながら、身体の脇に降ろしていた両手を、伸ばしたまま上にあげます。 
 ⑤「万歳!」の声を聞いたら、全員で一斉に「万歳!」と声に出し、両手を上にあげます。
昭和する時は『ばんざい」というよりは「ばんざ〜い」と伸ばすことが多いようです。
⑥ 上記の④〜⑤を三回繰り返します。
以下の2つのパターンがあります。
 a. 合図と唱和が交互に、かけ合いの形になるパターン
 b. 合図と唱和が同時に行われるパターン
⑦ 三回の唱和が終わったら「おめでとうございます!」などと口々に声に出しながら全員で拍手をします。
● 披露宴の席や、歓迎会、送別会など、主役が決まっている宴席の場合には、その主役の方をむいて拍手をしましょう。
⑧ 司会者の案内で、万歳三唱の発声をする人(音頭を取る人)は着席または席に戻ります。
 ●司会者の案内で、一同着席し、歓談、あるいはもとの状態にもどります。

2.万歳三唱の音頭・挨拶・スピーチ例1 披露宴

ひとくちに万歳三唱といっても、いろんなシーンがあります。
披露宴の席で、結婚する2人の幸せを、両家の親族とともに慶び、祝う万歳三唱。
新会社の発足を祝う祝賀パーティーでの万歳三唱。
10周年の節目を記念し、新たなスタートを切るための万歳三唱。
人生の岐路で、新しい門出を祝し、活躍を祈るための万歳三唱。
 本来、音頭を取るということばは、「大勢で歌う時に、調子を示すために先に歌ったり、人の先にたって手はずをととのえたりする」ということさします。
全員が同時に「万歳!」と発声するために、「3、2、1、ハイ」とか「せえの」といった合図で発声するかわりに、一人が「万歳!」という声を出したのを合図にして他の全員が「万歳!」と唱和をします、
厳密に言えば、これだけで済むはずなのですが、おめでたい席などでは、万歳三唱の音頭取りを頼まれたからには一言添えるというのが慣例となっています。最初に短いコメントを述べてから、元気良く「万歳!」と声をあげます。
下記にスピーチ例をご紹介します。ご自身でアレンジしてください。
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結婚式/披露宴 万歳三唱の挨拶の文例

[ 挨拶例文 1−1]
ただ今ご紹介にあずかりました、新郎の一郎君と同じ職場の◯◯でございます。
僭越(せんえつ)ではございますが、ご指名でございますので、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
一郎君、花子さん、ならびにご両家の皆様には心よりお祝いを申し上げます。
お二人のお幸せを祝し、両家のご繁栄とご臨席の皆様のご多幸を祈念いたしまして、万歳!万歳!万歳!

[挨拶例文 1−2]
ただ今ご紹介にあずかりました、新郎の友人の◯◯でございます。
一郎君、花子さん、本日はおめでとうございます。ご両家の皆様にも心よりお祝いを申し上げます。
新郎、新婦の末永いお幸せと、ご両家ならびにご臨席の皆様のご多幸を祈念いたしまして、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
皆様、ご唱和をお願いします。
それでは、 万歳!万歳!万歳!
補足
僭越…「僭越」読み方=せんえつ。
立場や身分を越えて出過ぎたことをすることを言います。あまりにも常套句になっているので、入れなくても構いません。
・自己紹介のあと、新郎新婦と親族に対し、簡単にお祝いを述べます
最後に、万歳を三唱します。
なお、下記の言葉は結婚式、披露宴で用いるのは縁起が悪いとされています。
忌み言葉とされているものを紹介します。使わないようにしましょう。

忌み言葉

忌み言葉の例解説
去る、帰る言い換えの例=「中座する」「失礼する」
終わる言い換えの例=「お開きにする」
切る、切れる
別れる、別れる
離れる
別れを連想させるので、できるだけ使わないようにする。ケーキを切るときは、ケーキ入刀、ケーキにナイフを「入れる」などと言い換える。
出る、飽きる、戻る別れを連想させるので、できるだけ使わないようにする。
重ね重ね、たびたび、またまた一度きりで良い婚礼が「くり返される」ことを意味するので、くり返し言葉は使わないようにする。
届け先の近くのお花屋さんが 直接手渡しでお届け。 ★当日配達もOK!

3.万歳三唱の音頭・挨拶・スピーチ例2 送別会

送別会の場合の万歳三唱には、歓びというよりも激励の意味があります。
寂しさで暗くなるよりも、元気に声をあげて明るく送り出してあげましょう。
下記にスピーチ例をご紹介します。ご自身でアレンジしてください。
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送別会 万歳三唱の挨拶の文例

[ 挨拶例文 2−1 転勤や転職の送別会]
◯◯さん、短い間でしたが、お世話になりました。
新しい職場に行かれましても、どうかお身体に気を付けてご活躍ください。
それでは◯◯さんのご健勝とご発展を記念いたしまして、万歳三唱をしたいと思います。皆様、ご唱和をお願いします。
それでは 、万歳!万歳!万歳!

[挨拶例文 2−2 定年退職の送別会]
僭越(せんえつ)ではございますが、ご指名でございますので、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
◯◯さん、長い間おつかれさまでした。
つつがなく本日を迎えられましたことを 心よりお慶び申し上げます。
◯◯さんの末永いお幸せと、ご健勝ならびにご臨席の皆様のご多幸を祈念いたしまして、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
万歳!万歳!万歳!
補足
僭越…「僭越」読み方=せんえつ。
立場や身分を越えて出過ぎたことをすることを言います。あまりにも常套句になっているので、入れなくても構いません。
・送別会の場合は、これまでお世話になったお礼と新天地での活躍や健康を祈る言葉を述べます。
最後に、万歳を三唱します。

4.万歳三唱の音頭・挨拶・スピーチ例3 祝勝会

祝勝会の場合の万歳三唱は、全員がひとつになって喜ぶことで非常に盛り上がります。
お祝いとねぎらいの意味があります。
スポーツの試合、大会などの祝勝会と、選挙に当選した場合の祝勝会の万歳三唱について、下記にスピーチ例をご紹介します。ご自身でアレンジしてください。
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祝勝会 万歳三唱の挨拶の文例

[挨拶例文 3−1 祝勝会、優勝祝賀会]
◯◯部の皆さん、優勝おめでとうございます。
我々に感動と勇気を与えて下さいました。
次はいよいよ全国大会です。
◯◯部の皆さんの県大会での優勝を祝し、全国大会での更なる活躍を祈念いたしまして、万歳三唱を行ないたいと思います。
万歳!万歳!万歳!

[挨拶例文 3−2 祝勝会、優勝祝賀会]
◯◯部の皆さん、優勝おめでとうございます。そしてお疲れさまでした。
◯◯監督ならびにご父兄の皆様にも心よりお慶び申し上げます。
僭越(せんえつ)ではございますが、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
◯◯部の皆さんの優勝を祝し、今後の更なるご活躍とご発展を祈念いたしまして、
万歳!万歳!万歳!

[挨拶例文 3−3 祝勝会、当選]
◯◯でございます。僭越ではございますが、◯◯候補の当選を祝しまして万歳三唱の音頭をとらせていただきます。ご唱和をお願いします。
新市長、◯◯◯◯の当選を祝し、今後のご活躍とご発展ならびに◯◯市の繁栄を祈念いたしまして、万歳!万歳!万歳!

[ 挨拶例文 3−4 運動会の盛会や成功を祝って]
◯◯でございます。本日はお忙しい中をお集りいただきまして本当にありがとうございました。皆様のご尽力のおかげで、この◯◯◯運動会を(怪我もなく、無事に)大変楽しく盛会のうちに終了できましたことを本当に嬉しく思います。来年も素晴しい運動会を開催できますよう皆様のご協力をお願いいたします。
 最後に、□□幼稚園の(保育園の、小学校の)発展を祈念いたしまして、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
皆様ご唱和をお願い致します。
万歳!万歳!万歳!

補足
僭越…「僭越」読み方=せんえつ。
立場や身分を越えて出過ぎたことをすることを言います。あまりにも常套句になっているので、入れなくても構いません。
・祝勝会の場合は、お祝いとねぎらいの言葉を述べます。
最後に、万歳を三唱します。
例文3-4(かっこ)内は自由にアレンジしてください。
※運動会の挨拶はこちらのページでご紹介しています>>>

5.万歳三唱の音頭・挨拶・スピーチ例4 竣工式、落成式祝賀会

 祝賀会の場合の万歳三唱は、本来の意味にたちかえって、おめでたい意味と、長久を祈る意味をこめて行なわれます。
竣工式・起工式、落成式(完成を祝う)祝賀会の万歳三唱について、下記にスピーチ例をご紹介します。ご自身でアレンジしてください。
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祝賀会 万歳三唱の挨拶の文例

[ 挨拶例文 4−1 竣工式、落成式 完成祝賀会]
ただいまご紹介にあずかりました◯◯でございます。
◯◯の皆様ならびにご臨席の皆様、
本日はまことにおめでとうございます。
僭越(せんえつ)ではございますが、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
◯◯◯◯の無事完成を祝い、ご臨席の全ての皆様のご健勝と株式会社◯◯◯のご発展を祈念いたしまして、
万歳!万歳!万歳!

[挨拶例文 4−2 竣工式、落成式 完成祝賀会]
ただいまご紹介にあずかりました◯◯でございます。
◯◯の皆様ならびにご臨席の皆様、
本日はまことにおめでとうございます。
完成した◯◯◯を間近に拝見し、「この◯◯が地元の活性化と地域の交流に必ず役立つ」との思いを改めて強くいたしました。
◯◯◯◯の完成を祝し、ご臨席の全ての皆様のご健勝とご繁栄を祈念いたしまして、万歳三唱をしたいと思います。皆様ご唱和をお願いします。
それでは、
万歳!万歳!万歳!
補足
僭越…「僭越」読み方=せんえつ。
立場や身分を越えて出過ぎたことをすることを言います。あまりにも常套句になっているので、入れなくても構いません。
・祝賀会の場合は、お祝いと長久を祈る言葉を述べます。
最後に、万歳を三唱します。

6.万歳三唱の音頭・挨拶・スピーチ例5
  ◯◯周年記念祝賀会

祝賀会の場合の万歳三唱は、本来の意味にたちかえって、おめでたい意味と、長久を祈る意味をこめて行なわれます。
創立◯◯周年、創業◯◯周年の記念祝賀会の万歳三唱について、下記にスピーチ例をご紹介します。ご自身でアレンジしてください。
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祝賀会 万歳三唱の挨拶の文例

[ 挨拶例文 5−1 ◯◯周年記念祝賀会]
本日はまことにおめでとうございます。
僭越(せんえつ)ではございますが、万歳三唱の音頭を取らせていただきます。
株式会社◯◯◯◯の創立◯◯周年を祝い、ご臨席の全ての皆様のご健勝と株式会社◯◯◯の更なるご発展といやさかを祈念いたしまして、
万歳!万歳!万歳!

[挨拶例文 5−2 ◯◯周年記念祝賀会]

ただいまご紹介にあずかりました◯◯でございます。
社長はじめ取締役の皆様、ならびにご臨席の皆様、
創立◯◯周年、まことにおめでとうございます。
これもひとえに、この会社が「地道」に「実直」に商いを続けてきた結果であるとの思いを改めて強くいたしました。
これからも◯◯年、何百年と発展して行かれますようお祈り申し上げます。それでは、ご臨席の全ての皆様のご健勝と、株式会社◯◯◯のさらなる御発展とご繁栄を祈念いたしまして、万歳三唱をしたいと思います。皆様ご唱和をお願いします。
それでは、
万歳!万歳!万歳!
補足
僭越…「僭越」読み方=せんえつ。
立場や身分を越えて出過ぎたことをすることを言います。あまりにも常套句になっているので、入れなくても構いません。
弥栄…「弥栄」読み方=いやさか。
ますます栄える事をいいます。
・祝賀会の場合は、お祝いと長久を祈る言葉を述べます。
最後に、万歳を三唱します。
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