初盆とは・新盆とは》お盆の期間と行事は?地方による違いも

初盆とは四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆のことをさします(※新盆とは初盆と同じ意味です)。お盆には亡くなった人が年に一度遺族のもとに帰ってくるという信仰もあり大切な行事の一つですが、特に初盆・新盆は故人が亡くなってから初めてのお盆ということで念入りに供養の行事が行われます。遺族や親族以外にも故人に縁のある人をお招きし、きちんとした法要を営むことが多いようです。
[関連ページ]
4. 初盆・新盆の案内状の書き方と文例 次のページへ
5. 法事・法要の流れ 次のページへ
6. 法要のあとの会食「お斎(おとき)」 次のページへ
7. 初盆に招かれたら(初盆の服装や持参する不祝儀(香典)) 次のページへ
[参考ページ]
法事の礼状・法要礼状
初盆・新盆 香典の金額相場
初盆・新盆 香典の書き方
盆・お盆
盆玉・お盆玉(ぼんだま)
法事・法要

1.初盆とは・新盆とは(お盆について)

初盆とは四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆のことをさします(※新盆とは初盆と同じ意味です)。お盆は故人を供養する大切な行事の一つですが、初盆・新盆は故人が亡くなってから初めて迎えるお盆ということで特に念入りに供養が行われます。お盆の法要には、親族以外にも故人に縁のある人をお招きし、僧侶を呼び読経をしてもらい法要を営むことが多いようです。
 なお、四十九日を過ぎていない場合には、初盆・新盆の法事法要は翌年に行います。
 もちろん初盆・新盆を過ぎて二年目以降のお盆にも供養が行われますが、二年目以降のお盆には法事法要の規模も次第に控えめになり、出席者も親族だけになっていきます。
 お盆とは旧暦の7月15日に、亡くなった人を祀る儀式をさします。もともとは仏教用語であるサンスクリット語の盂蘭盆(うらぼん)、盂蘭盆会(うらぼんえ)から来た行事です。お盆の時期・期間は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間に行なわれます。供物をささげ、供養をする 行事として現代に伝わっています。
※参照「お盆」のページ>>>

[お盆の時期に行なわれる主な行事・お盆の行事]

※お盆の行事は、一般的に7月(新暦のお盆)または8月(旧暦のお盆)に行なわれます。
(旧暦または新暦の7月15日頃。旧暦の7月15日は現在の8月15日頃になります)
 ・13日…迎え火。死者を家に迎えます。
 ・16日…送り火。死者を送ります。
 ・お墓の掃除とお墓参り。
 ・精霊棚(しょうりょうだな)・盆棚(ぼんだな)を飾る。
 ・盆提灯を飾る。
 ・僧侶を呼び供養の法要を行なう。特に初盆・新盆の場合
上記の他、お盆の風習は地方によってさまざまです。
例えば、「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。

[仏前盆供養と、墓前盆供養]

 仏前盆供養とは、お盆の法要を自宅で執り行うことを言います。墓前盆供養とは、故人の墓前で読経などの供養を行うことをさします。
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2.お盆の期間とお盆の行事

[お盆の時期・期間]

 お盆の時期は地方によって異なります。4お盆の行事は7月または8月の13日から4日間に行なわれます
※お盆の期間について…旧暦の7月15日を中心とした期間がお盆の時期となります。旧暦の7月15日は現在の暦(新暦)では8月15日頃にあたりますが、東京および横浜や静岡県の一部では新暦の7月15日の頃をお盆期間とする風習が残っており、その他の地域では全国的に8月15日の頃がお盆の期間となっています。

[お盆の時期に行なわれる主な行事・お盆の行事]

 代表的な行事は下記のとおりです。

お盆の行事

※お盆の行事は一般的に7月または8月の15日頃に行なわれます(旧暦または新暦の7月15日頃。旧暦の7月15日は現在の8月15日頃になります)。
※お盆に行われる 一連の行事を「盆会(ぼんえ)」「盂蘭盆(うらぼん)」「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。
日程行事内容
13日迎え火
死者を家に迎えます。
[お盆に行われること]
・お墓の掃除とお墓参り。
・盆会墓前読経(お寺によって異なる)
・精霊棚(しょうりょうだな)・盆棚(ぼんだな)を飾る。
・盆提灯を飾る。
・僧侶を呼び供養の法要を行なう。特に初盆・新盆の場合
14〜15日
16日送り火
死者を送ります。
上記の他、お盆の風習は地方によってさまざまです。
例えば「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。

[地方によって異なるお盆の期間・時期]

 上記の他、お盆の時期と風習は地方によって大きく異なります。
 余談ですが、「盆踊り」も元々は盂蘭盆の精霊を迎える行事であり、今でも 初盆の供養のための盆踊りを催す地域があるようです。昔は盆踊りは旧暦の7月15日に行われていました。

7月15日を中心とした期間にお盆を行う地域

地域期間主な行事その他の情報
全ての地域を調べたわけではありません。
東京
 7月13〜16日・一般的な「盆会」「盂蘭盆」「盂蘭盆会」
迎え火を焚き、盆提灯を飾り、精霊棚をしつらえ、僧侶を呼び法要を行う。
送り火を焚く
横浜市
 7月13〜16日※注意
同じ市内でも7月と8月が混在しています。
おおむね横浜市の中心部〜東部、北東部の地域は7月です。
静岡市、掛川市、磐田市、浜松市
 7月13〜16日※注意
同じ市内でも7月と8月が混在している地方があります。
浜松市中心部、磐田市の一部は7月にお盆を行います。
(浜松市の北部、南部、西部は8月)
↓ 下記に7月のお盆の風習をピックアップしました ↓
静岡県浜松市ほか周辺地域
 7月15日・「遠州大念仏」…初盆を迎えた家の庭先で行われる供養の儀式で郷土芸能の一つ。初盆以外の場合には、遠州大念仏の一行を自宅には招かない。

8月15日を中心とした期間にお盆を行う地域

地域期間主な行事その他の情報
地方全般
 8月13〜16日
(8月13〜15日とされる地域もあります)
・一般的な「盆会」「盂蘭盆」「盂蘭盆会」
迎え火を焚き、盆提灯を飾り、精霊棚をしつらえ、僧侶を呼び法要を行う。
送り火を焚く
↓ 下記に8月のお盆の風習をピックアップしました ↓
地域期間主な行事その他の情報
長崎市、長崎県内各地
 8月15日・「精霊流し」…精霊船は初盆の場合に作る。初盆以外の場合には、藁のこもに供物を包んだものを用いる。
京都
 京都市内の寺
8月7〜10日
※宗派によって異なる
・お盆のお精霊さま(おしょうらいさま)のお迎えの期間
※宗派によって異なる
京都市如意ヶ岳
8月16日・「五山送り火」…お盆のお精霊さま(おしょうらいさま)のお送りの行事のひとつ。大文字の送り火と呼ばれることも。
京都嵐山ほか
8月16日・「灯篭流し」…お盆のお精霊さま(おしょうらいさま)のお送りの行事のひとつ

3.初盆・新盆の法事、法要の準備について

初盆の迎え方
初盆・新盆とは、告別式を終え四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆のことを言い、「はつぼん・にいぼん」と読みます。
四十九日よりも前にお盆が来た場合には、初盆の法要は翌年に行ないます。
 親族、知人、友人などを招き、僧侶による読経、遺族及び参列者による焼香のあと、精進料理でおもてなしをします。
僧侶も忙しい時期ですので、1ケ月以上前に予約を入れることをおすすめします。
[精霊棚について]
お盆の供養の時の飾り付けを精霊棚(しょうりょうだな)と言います。
12日ころに飾ります。
位牌を仏壇から取り出し、仏壇の扉は閉めて、その前に「精霊棚」の飾り付けをします。
まずは棚をしつらえ、盆花を飾り、棚の上のかざりつけをします。胡瓜の馬と茄子の牛などのいろいろなお供物をお供えします。
 精霊棚の飾りやお供えの詳細については「お盆」のページへ>>>
[盆提灯について]
盆提灯はお盆に、霊が迷わず戻って来られるように、目印として飾ると言われています。
盆提灯には、初盆・新盆用の「白提灯」と、それ以降にも用いる「絵柄の入った提灯」の二種類があります。
 初盆・新盆用の白提灯(白い盆提灯のこと。初盆の時のみ用います)は近親者から贈られることが多いようです。盆提灯は、親族が購入するのがならわしでしたが、住宅事情や飾るスペースなどを考慮し、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。白提灯は1つだけあればよいでしょう。玄関先(あるいは、縁側の軒先などの、危険のない場所)に飾ります。
お盆が終わった白提灯は、送り火で燃やしたり、菩提寺に供養をお願いしたりします。
事前に、お寺に確認すると良いでしょう。
[浄土真宗の場合のお盆について]
浄土真宗では、他の宗派と違って儀式や作法の中に「お盆にしなければならない儀式」というのが少ないようです。
 詳細はこのページの下の方で説明します。>>>
★下記に、遺族が行うお盆の法要の準備についてご説明しています。
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法事・法要の準備(遺族)

お寺の手配、引出物の手配、食事の手配などを行ないます。
地方により、7月に行なう場合と8月に行なう場合があります。
項目時期準備するものと内容
1.お盆の日程
 〜お盆の1ケ月以上前までに
 お寺の手配
(詳細は下記4にて)
お盆期間はお寺も大変忙しい時期です。
僧侶のご都合を聞き、予約を入れます。
〜12日までに
 準備
購入・組み立て
[初盆・新盆の場合]
灯篭、盆提灯の購入
精霊棚の組み立て
お供物の準備など
[2年目以降]
精霊棚の組み立て
お供物の準備など
提灯を箱から出したり、棚を組み立てたりします。
まだ飾り付けはしません。
新しいロウソクやお線香など、必要なものは、この日までに購入しておきます。迎え火や送り火のときに用いる松の割り木なども購入しておきます。
13日
 お迎えの日(迎え火)
祖先の御霊の迎え方
[午前中]
精霊棚の飾り付け
お供物・供花をします。
・仏壇から位牌を出し、精霊棚の中央に置きます。仏壇の扉は閉じておきます。
・精霊棚の飾り付けや、お供物や盆花をお供えします。
[日中]
お墓参り
・お墓まで霊を迎えに行くという地方もあります。お墓参りをし、お墓で提灯に火を灯します。できればその火を消さずに提灯を自宅まで持ち帰ります。
[夕方]
迎え火を焚く
提灯に火を灯す
・迎え火として、松の割り木や麻幹(おがら)を焚きます。
・盆提灯に火を灯します。(日中、お墓から提灯に点灯して持って来た場合を除く)
14〜15日
 お墓参り
法要と会食
・お盆期間中には、ぜひ一度は家族全員でお墓参りをしましょう。
・初盆に僧侶を呼んで読経を行なう法要は、14日または15日に行なわれます。
・霊が帰ってきている間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は毎日交換します。
 お送りの日(送り火)
祖先の御霊の送り方
[午前中]
最後のお供えものをする
・家で過ごす最後の朝なので、心をこめてお祈りをします。
[夕方]
送り火を焚く
・また来年来て下さいという気持ちをこめてお送りします。初盆・新盆で使用した白提灯は一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。
法事・法要の準備(遺族)つづき
お寺の手配、引出物の手配、食事の手配などを行ないます。
地方により、7月に行なう場合と8月に行なう場合があります。
項目準備と内容
2.お寺への連絡
・初盆の場合には、なるべく早く菩提寺に連絡をします。
・菩提寺とは、先祖代々の墓をお願いしているお寺をさします。霊園、墓地などを利用している御家庭では、葬儀の際に世話になったお寺に依頼すると良いでしょう。
・僧侶には、法要のあとの会食にも出席していただけるかどうかを確認します。
・念のため、白提灯の供養の仕方も確認しておきます。
※白提灯は初盆・新盆にだけ用います。絵柄付きの盆提灯は二回目以降も用います。初盆の法要が終わったあと、白提灯の供養をお寺に依頼する場合や、送り火と一緒に燃やす場合などがあります。やり方をお寺に聞いておくとよいでしょう。
3.料理の手配をする
・法要のあと会食がある場合には、料理の手配または用意をします。
・仕出しなどを予約する場合には、おめでたい伊勢海老や、鯛などの献立は避けた方がよいので、予約の際には「お盆の法事で利用します」と、利用目的を告げましょう。
4.案内状の手配
・もし親族だけで行なう場合には電話での連絡でも良いでしょう。
・一般的に初盆だけは、親族だけでなく知人や友人たちを招いて法要を行います。お葬式のときに記帳して頂いた会葬者名簿などをもとに案内状を出します。初盆以外は親族だけで行います。
・初盆や、会社関係などで執り行うお盆の法要の場合には、往復ハガキや返信用のはがきを同封した封書などで、案内状を用意し、出欠をたずねます。
※ご参考…お盆・初盆・新盆の法事の案内状の書き方と文例はこのページの下の項目で紹介します。
5.引出物の手配
・引出物はお盆の法要の参列者へのお返しの一部と考えられます。法要のあとで会食を行なう場合には、その会食もお返しの一部となります。
・のしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。
・引き出物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や食品等が良く用いられます。遠方からの方もいらっしゃるので、かさばるものは避けます。最近はカタログギフトも増えました。予算は@2,000〜5,000円程度が一般的です。
・引出物ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。
・法事の後、おもてなしの席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引出物と一緒にお渡しします。
6.御布施(お布施)などを用意しておく につづく
法事・法要の準備(遺族)つづき
項目準備と内容
6.御布施(お布施)などを用意しておく
・僧侶にはお礼をお渡ししなくてはなりませんが、僧侶が法要のあとのお食事(お斎)に同席して下さる場合には、御布施または御経料、お車代の2つを用意します。
もし、僧侶がお斎を辞退されたら、御布施または御経料、お車代のほかに、御膳料を加えた3つをお渡しします。
・お布施やお礼の金額の目安(相場)をご紹介します(2019年6月現在)
__お布施または御経料は、初盆の場合3万円程度
     (ふだんのお盆は1万円くらい)
__お車代は、5千円〜1万円くらい。
__御膳料は、5千円〜2万円くらい。
・お金を入れる袋の表書きは薄墨ではなく普通の墨で書きます。
半紙の中包みに入れ、奉書紙で慶事の上包みの折り方をするのが最も丁寧な形ですが、市販の白い封筒で構いません。郵便番号欄の無い無地の封筒を用います。
・直接手渡しせず、小さなお盆などに載せてお渡しします。お盆も用意しておきましょう。
 
※参列者が用意する不祝儀(香典)…次のページにて>>>
※浄土真宗の場合のお盆・初盆・新盆…浄土真宗では、他の宗派と違って儀式や作法の中に「お盆にしなければならない儀式」というのが少ないようです。地方によっても異なりますので、お盆の供養をどのようにするかについて、お寺、菩提寺と相談されることをおすすめします。  
 きちんとした法要の形で初盆の供養をしたいという場合にはお寺に早めに相談し、必要があれば予約をします。 故人と親しかった人をお招きし、僧侶による読経のあと故人を偲び食事(法要とお斎)をおこないます。
 ただし、お盆の飾り付けについても浄土真宗では決まり事が少なく、基本的には精霊棚もしつらえないようです。供物などをお供えしますが、迎え火、送り火も行わない地域もあるようです。
4. 初盆・新盆の案内状の書き方と文例 次のページへ
5. 法事・法要の流れ 次のページへ
6. 法要のあとの会食「お斎(おとき)」 次のページへ
7. 初盆に招かれたら(初盆の服装や持参する不祝儀(香典)) 次のページへ

※ なお、法事の礼状・法要礼状は、法事のページでご紹介しています>>>