乾杯》音頭・挨拶スピーチの文例・乾杯までの流れとマナー

乾杯の仕方と乾杯のマナーのページ。一口に乾杯といっても、いろんなシーンがあります。結婚する2人の幸せを、両家の親族とともに慶び祝う乾杯。新会社の発足を祝うパーティーでの乾杯。10周年の節目を記念し、新たなスタートを切るための乾杯。新しい門出を祝し、活躍を祈るための乾杯。
このページでは、さまざまな乾杯のシーンとマナーを説明します。
合わせて、各国の乾杯についても情報を掲載しています。
[参考ページ]
結婚式・披露宴の乾杯挨拶
同窓会の乾杯挨拶
歓迎会の乾杯
送別会の乾杯挨拶
開店・開業祝いの乾杯挨拶
※ 葬儀の時には献杯(けんぱい)>>と呼ばれています。

1.一般的な乾杯のしかた

・乾杯の席で用いられるお酒には、いろいろな種類があります。代表的なお酒として、ビール、ワイン、日本酒、シャンパンを例に、乾杯のしかたをご説明しましょう。

ビール、ワイン、日本酒、シャンパンの乾杯のしかた

[ビール]で乾杯
・居酒屋やビアホールなどでは、ビールのジョッキで乾杯をします。この場合は、そのグループ、参加者の全員に飲み物がゆきわたったところで声を揃えて「乾杯」と発声し、ジョッキ同士をカチンと合わせる形式になります。特別な作法は必要ありませんが、以下のような流れが一般的です。
【1】全員に飲み物がゆきわたったところで一人が「乾杯」の声(合図)を発する
【2】合図のあと、一同声をそろえて「乾杯」と唱和する。ジョッキを高くかかげるか、ジョッキ同士をカチンと合わせる。
【3】一旦飲み物に口をつけてから、料理やつまみに箸をつける

・式典やパーティーの席などで、乾杯する場合の流れ(進行)については、この項目の下の方で説明しています。
[ワイン]で乾杯
ワインで乾杯が行なわれるシーンは、ごく内輪でのシーンが多いようです。
恋人同志、夫婦、家族など、プライベートなシーンになります。
もともと乾杯という行為は、中世にヨーロッパでお互いのグラスの中に毒が入っていないことを証明する為に、相手にグラスをカチンと合わせて自分のグラスから相手のグラスにワインを注ぎ、お互いに飲み干すことで毒が入っていないことを示したのが起源だと言われています。つまり「ワイングラスをカチンと合わせた」のが由来なのですが、現在のワイングラスは非常に薄く、割れやすくできているため、音をたててグラスを合わせるのはNGです。
「乾杯」と言い、ワイングラスを目の高さまで持ち上げます。このとき、軽く笑顔を作り、相手の目を見ましょう。
ワイングラスの持ち方は、首のあたりをひとさし指と親指でつまみ、残りの三本の指で支えて持ちます。ワインは非常に温度に敏感な飲み物です。グラス全体を手で被うようにして持つのはマナー違反であるだけでなく、ワインの美味しい供卓温度をそこなうことになります。

[日本酒]で乾杯
・和室での宴席では、乾杯にも日本酒が用いられることがあります。
もともと、日本では、お酒は神様への供物のうちのひとつ(お神酒=おみき)であり、収穫を祈る神事や、元服や戴冠などの儀式、結婚式の三三九度のかための杯など重要な儀式に用いられてきました。
戦にのぞむ前に酌み交わしたお酒も、神聖な意味を持ち、現在の陽気な乾杯とは一線を画すものです。当時は、酒の肴までも縁起をかつぎ、縁起の良いものが供されていました。但し、現在では、豊作を祝う祭りなど、日本酒を用いられるシーンでも乾杯全般において、洋風の「乾杯」の号令が用いられるようになってきています。和室の場合には大半が座ったままで行なわれます。
[シャンパン]で乾杯
・結婚式の披露宴では、大半の場合、シャンパンが用いられます。この乾杯の様式は西洋から入ったものが日本風に変化したものだと考えられます。下記にて、その流れ(進行)をご説明します。

乾杯までの流れとマナー

進行

説明
全ての出席者に、飲み物がゆきわたるようにします。
 ◎披露宴の席や、パーティー会場では、係の人が全員に飲み物がゆきわたるように配ってくれます。新年会や歓迎会など、内輪の宴会の場合には、お互いのグラスに飲み物を注ぎます。
◎ 披露宴の場合、シャンパンを用いられることが多いようです。
子供の場合は別ですが、大人の出席者の場合には、お酒が飲めなくても乾杯だけはシャンパンで(一緒に唱和し飲むマネだけでもOK)しましょう。無理に違う飲み物を用意してもらうことで時間をとると式の進行をさまたげる結果となります。 乾杯が終わり着席したあとで、好きな飲み物をオーダーすれば良いのです。
司会者が乾杯の発声をする人(音頭をとる人)を指名または紹介します。
全員がグラスを手に取ります。
 ◎司会者に紹介された人が立ち上がるか、あるいはマイクのある位置まで移動する間に、全員が起立をし、飲み物のグラスを手にとります。
乾杯の挨拶
 乾杯の発声をする人(音頭を取る人)が、ごく短い挨拶を述べます
 ※挨拶文例(例文)>>
 ◎ごく短い挨拶なので、グラスを持ったまま拝聴します。グラスは胸とおへその中間あたりの低い位置にキープします。
◎シャンパングラスの場合は、細いところを持ちます。人さし指と親指でつまむようにし、残りの指でささえます。
女性の場合は、グラスの底の部分をもう片方の手で下から支えるように持ちながらスピーチを聞いていると、見た目も美しく、安定感があります。
⑤ 乾杯の発声(乾杯の音頭)
 乾杯の発声をする人(音頭を取る人)が、挨拶に続いて
「乾杯」
と発声し、グラスを目の高さまでかかげます。
⑥唱和
 ◎「乾杯」の声を聞いたら、全員で一斉に「乾杯!」と声に出し、目の高さまでグラスをかかげます(あるいは近くの人とグラスを軽く合わせカチンと音を出します)。
◎シャンパングラスの場合、グラスが薄いので、かなり注意が必要です。
可能であれば飲み干します。難しければ一口だけ飲んでもよいですし、あるいは、口だけつけてもOKです。
飲み干すのにあまり長い時間かかるようなら、無理に飲み干さないで、一口飲みましょう。
⑦ 拍手
 一旦グラスを置き、全員で拍手をします。
●披露宴の席や、歓迎会、送別会などのように、主役が決まっている宴席の場合には、その主役の方をむいて拍手をしましょう。
ワンポイント…拍手の際の手の高さ
手を胸の高さよりも高めの位置にして拍手をすると、より祝福している印象になります。
司会者の案内で、乾杯の発声をする人(音頭を取る人)は着席または席に戻ります。
 ◎司会者の案内で、一同着席し、歓談、あるいは食事にうつります。

2.乾杯の音頭・挨拶・スピーチ

 本来、音頭を取るということばは、「大勢で歌う時に、調子を示すために先に歌ったり、人の先にたって手はずをととのえたりする」ということさします。
全員が同時に「乾杯!」と発声するために、「3、2、1、ハイ」とか 「せえの」といった合図で発声するかわりに、一人が「乾杯」という声を出したのを合図にして他の全員が「乾杯」と唱和をします、
厳密に言えば、これだけで済むはずなのですが、おめでたい席などでは、乾杯の音頭取りを頼まれたからには一言添えるというのが慣例となっています。最初に短いコメントを述べ、言葉の最後に一呼吸おいて、「乾杯」とつけます。
披露宴、同窓会、祝賀会、式典、創立記念パーティー、宴会、忘年会、新年会、歓迎会、送別会、葬儀(葬儀の場合には献杯と言います)など、 ケース別のスピーチ例はそれぞれ別ページに掲載しています。
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乾杯の音頭・挨拶スピーチ文例

ケース例乾杯に良く使われるフレーズ文例文例・例文
記念日・ 開業祝いの式典/祝賀会など
 
本日はまことにおめでとうございます。
◯◯◯◯株式会社のますますのご発展を祈念いたしまして、乾杯。
開店開業祝いの式典/
祝賀会の乾杯音頭>>
同窓会など
 
…(省略)…、
ここにお集まりの皆様のご健勝と県立◯◯高校の
末長いご発展を祈念いたしまして、乾杯。
同窓会の
乾杯音頭>>
送別会など
 
…(省略)…、
◯◯さんの益々のご健勝とご活躍を祈念いたしまして、乾杯。
送別会の
乾杯音頭>>
結婚式/披露宴
 
◯◯くん、◯◯さん、ご結婚おめでとうございます。
お二人のお幸せを祝し、両家のご繁栄を祈念いたしまして、乾杯。
披露宴の
乾杯音頭>>
宴会/飲み会
 
お疲れさまです。それでは乾杯の音頭を取らせていただきます。皆さん、ご唱和をお願いします。
◯◯部の皆さんの健康とわが社の発展を祈念いたしまして、献杯。
 
葬儀/葬式
 
…(省略)… ※この場合には乾杯ではなく献杯
それではこれより献杯(けんぱい)をさせていただきます。献杯。
葬式の
献杯音頭>>

3.料理の種類と乾杯

 上述のように、日本ではお酒は神様への供物のうちのひとつ(お神酒=おみき)であり、収穫を祈る神事や、元服や戴冠などの儀式、結婚式の三三九度のかための杯など重要な儀式に用いられてきました。戦にのぞむ前に酌み交わしたお酒も、神聖な意味を持ち、現在の陽気な乾杯とは一線を画すものです。
 当時は、酒の肴までも縁起をかつぎ、縁起の良いものが供されていました。但し、現在では、豊作を祝う祭りなど、和室の場合には日本酒を用いられるシーンでも乾杯全般において、洋風の「乾杯」の号令が用いられるようになってきています。大半が座ったままで行なわれます。
この章では料理の種類と乾杯についてご説明します。
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料理とお酒と乾杯

料理の種類代表的な乾杯のマナーやしきたりなど
日本食/和食
 ●鏡開き(かがみびらき)
パーティーや式典の会場で、樽に入った酒の蓋を数人で木づちで割り、枡酒をふるまうことがあります。
このとき、「鏡開き」という言葉が使われますが、鏡割りの「割る」が忌み言葉のため、縁起をかついで、鏡開きと呼ぶようになったものです。
また、本来は、「鏡開き」ということばは、正月の鏡餅(かがみもち)を正月過ぎに割って食する習慣のことをさしており、樽酒の蓋を割ることは「鏡抜き」が正しい表現だとされてきましたが、近年は、一部の国語辞典などでも、酒だるの蓋をあけることを鏡開きとして掲載するようになってきました。
●枡酒の場合も、杯の場合も、乾杯の作法としては、原則として下記のとおりです。
[日本食/和食の席での乾杯]
1.全員に飲み物がゆきわたったところで、決められた人が「乾杯」の声(合図)を発する
2.合図のあと他の一同が声をそろえて「乾杯」と唱和し、飲み物を高くかかげるか、近くの人と枡や杯を軽く合わせてカチンと鳴らす。
3. 一旦飲み物に口をつけてから、料理やつまみに箸をつける
というのが一般的です。

●和室での宴会、宴席の場合には、乾杯の場合にも立ち上がらず座ったままで行なわれることがあります。
洋食
 ●洋食と言えば、ワインが浮かびますが、大勢が出席するパーティーの席でワインが用いられることは日本ではあまり多くありません。
乾杯の作法としては、下記の通りです。
[洋食の席での乾杯]
1.全員に飲み物がゆきわたったところで、決められた人が「乾杯」の声(合図)を発する
2.合図のあと他の一同が声をそろえて「乾杯!」と唱和し、飲み物を目の高さまで高くかかげる。(ビールのジョッキの時には、近くの人とカチンと合わせて構いません。ビールのグラスも、足付きの薄いガラスではなくコップタイプの形状であればカチンとならしても構わないでしょう。)
3. 一旦飲み物に口をつけてから、料理やオードブルに手をだす
というのが一般的です。

●ビールの場合には、ジョッキという丈夫な入れ物に入っていますので、乾杯の合図のあと近くの人とガチンとジョッキ同士を合わせることができ、この音もまた愉しい演出となります。元気良く楽しみましょう。
●ワインは、日本の場合は恋人同士や夫婦、家族などを中心としたプライベートな集まりや、少人数のホームパーティなどで用いられるケースが多いようです。
ワインの場合は、「乾杯」と唱和する際にはグラスを目の高さに持ち上げるだけで、グラス同士をぶつけることはしません。
●シャンパンもまた披露宴やパーティーなどを中心にして良く用いられるお酒です。シャンパングラスも薄く割れやすくできていますので、もしも近くの人とカチンと音をたてて合わせる時には注意が必要です。そっとおこないます。

料理とお酒と乾杯

料理の種類代表的な乾杯のマナーやしきたりなど
中国料理 / 中華料理
 ●通常、日本国内の中国料理店で、日本人だけのグループで乾杯を行なう場合には、ビールをグラスに注いで乾杯する等、通常のわたしたちが行なう宴会の場合に準じます。
●中国での乾杯(この情報は友人Yより得ました)
中国では、乾杯のことをカンペイと言いいます。
最近は中国での食事会も欧米化してきているため、伝統的な乾杯の方法も都市部を中心に変化してきているようです。
取引先を招待して行なうような、やや格式のある(伝統的な方法の)食事会の場合、小さなグラスに非常に強い酒(白酒または紹興酒)が注がれ、完全に飲み干したことがわかるようにグラスを逆さにしてみせます。
「カンペイ」の発声者がすぐに「スイイー(随意)」と続けた場合には、飲み干さなくても良いことになっています。
カンペイの発声の前に一言話す、という点は日本と同じですが、「漢詩」などが披露される場合もあるようです。
韓国料理
 

●通常、日本国内の韓国料理店で、日本人だけのグループで乾杯を行なう場合には、ビールをグラスに注いで乾杯する等、通常のわたしたちが行なう宴会の場合に準じます。
●韓国での乾杯(この情報も友人Yより得ました)
 韓国では乾杯のとき「コンペ」と言います。ビールを注いだグラスをコツンとぶつけあうのですが、相手グラスの唇があたる部分よりも少し下のあたりをねらってコツンとやると相手に対してこちらがへりくだった形になり、敬意を表していることになるそうです。
 コンペの場合、できるだけ一気飲みをすることが礼儀になっており、焼酎の場合にはグラスが小さめになっています(韓国の場合には、ビールよりも焼酎でのコンペが一般的なようです)。
 また、伝統を重んじる酒宴の場合には、目上の人に顔を向けて飲むのは失礼とされ、その宴席で最も上の人以外は顔を横に向けて飲みます。左手で目上の人から自分の顔を隠すようにしてお酒を飲むのが礼儀正しいマナーとされています。
 それから、相手のグラスには、杯が空になってから注ぎ足すことと、一つの宴会で何度も「コンペ」の発声がされることが日本の乾杯と大きく異なる点です。  

4.世界の乾杯

上の章で、日本での乾杯は、中国ではカンペイ、韓国ではコンペと言われていることをご紹介しました。この章では世界各国での乾杯という言葉をご紹介します。
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世界各国の乾杯

国名言葉
英語圏To your health!
Cheers!
Let’s toast ***’s health!
Bottoms up!
中国カンペイ(干杯、乾杯)
韓国コンペ
ドイツ Prosit (プロージット)または Prost (プロースト)
ラテン語のprositから来たことば。
健康を祝す、乾杯などの意味。
イタリアCin Cin(チンチン) 健康に!といった意味
スペインSalud( サルッ、あるいはサルー)健康に!といった意味
タイChai Yoo!(チャイ ユー、あるいはチャイ ヨー)健康に!といった意味
オランダ Proost(プロースト) 健康を祝す、乾杯などの意味。
フランスA Votre sante(ア ヴォートル サンテ) 健康を祝すなどの意味。
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