特に志望動機や自己PRの欄は就職担当者が注目する箇所です。
このページでは、就活に役立つ履歴書の書き方について例を挙げてわかりやすくご説明します。
■ 履歴書とは?
履歴書とは、その人が経て来た学業、職業などの経歴(学歴、職歴)および持っている免許、資格を書いた書類をさします。学生や社会人などのうち、就職や転職をしたい人が、自分の学歴や職歴および取得した免許や資格を書いて企業や公共団体などの就職希望先に提出します。
[なぜ志望動機が大切なのか]
就職活動中(就活中)の皆さんはよくご存じですが、多くの企業において、採用面接や、採用試験(筆記試験や小論文)などの前にまずは書類選考があります。採用担当者は、あなたがどれほどの熱意を持ってその企業に就職を希望しているのかを、あなたが提出した書類から読み取らなくてはなりません。そのため、履歴書の中でも志望動機や自己PRは非常に大切な部分となっています。
下記は履歴書を書く際の注意点です。
履歴書作成のポイント |
---|
1.履歴書はできるだけ手書きをする |
採用担当者はあなたが書く文字もチェックをします。パソコンで履歴書を作成する人もいらっしゃいますが、履歴書はできるだけ手書きのものを提出することをおすすめします。 |
2.不採用の企業から返送されてきた履歴書は使いまわさない |
残念ながら不採用となり応募書類が返送された場合、返されてきた履歴書をそのまま別の企業の応募に使おうと思ったことはありませんか? もったいないし、書く時間も助かるし、履歴書を書くのは意外と手間がかかるし…などといって他の企業の応募に使うのはお薦めしません。 理由の1つめは、日付けのところが古くなるから。 理由の2つめは、応募する企業によって、PRするポイントが異なるため、応募動機の欄、自己PR、さらには職歴欄の書き方が変わってくるから。 |
3.文字は丁寧に書く |
履歴書の文字が雑なものであれば印象が悪くなります。文字が上手、下手というよりも、きちんと隅々まで集中して書かれているかがチェックされます。時間をかけて丁寧に書きます。 |
4.ミスをしたら、新しい用紙に書き直す |
履歴書を書く場合、ボールペンか万年筆で記入します。もし文字を書き損じた場合には、修正テープを使ったりせず、新しい用紙に最初から書き直します。採用担当者は、最後まで緊張感を持ってきちんと記入することができる人物かどうかをチェックします。 |
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■ 履歴書の書式
市販されている代表的な履歴書の書式です。下記の画像の青数字をクリックすると説明にジャンプします。
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学歴 | |
学歴の欄の書き方はこのページの下の方で詳しく説明します。 学歴欄は職歴と同じページを使用します。 | |
職歴 | |
職歴は古いものから順番に記載します。 履歴書の中では簡単に記載し、別途、職務経歴書で詳細を説明します。入社日、退職日の年月日をチェックされる場合がありますので、記入ミスが無いように気をつけましょう。 在学中のアルバイト(バイト)についても、期間の長いものについては記載しても良いでしょう。大学によっては、アルバイト(バイト)就業についての証明書を発行する学校もあり、就職活動に役立てることもできます。 インターンシップ(在学中におこなった就業体験)については、通常は期間が短いため、履歴書には記載しません。但し、もしもその体験が、あなたが応募した動機となっている場合には、8.の志望動機の欄および送付状などに記載すると良いでしょう。。 詳細は別ページ「職歴」のページを参照して下さい>>> | |
免許・資格 | |
免許や資格は取得年度の古いものから順番に記載します。 名称に誤りが無いよう、正確なものを記載しましょう。 学生の場合で、卒業時に取得が見込まれる資格については、「取得見込み」と明記して、記載します。 | |
志望動機・特技・好きな学科など | |
履歴書の中で自分をアピールできる貴重な欄です。 これまでどんな職務を経験して来たのか、 あなたには、どんなことができるのか、なぜ、その企業を応募するのか、どんな仕事をしたいのか、を記入します このページの下の方で詳細を説明します<。 | |
本人希望欄 | |
1)希望職種、2)希望条件、3)希望勤務地を記載します。 2)の希望条件とは、一般的に、給与、勤務時間、休日休暇、社会保険、退職金、賞与などをさしますが、これらのうち、収入(給与、退職金、賞与といった内容)については、採用する企業の姿勢(採用担当者の受け取り方の問題)により、明記した方が良い場合と、明記しないほうが良い場合があるようです。 必要であれば面接のときに面接官から質問されますので、筆者は個人的には、収入に関する内容は(エントリーシートなどで、入力すべき項目となっている場合をのぞき)明記しない方が無難だと考えます。 |
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■ 履歴書の志望動機の欄
それでは、志望動機の欄の書き方についてご説明いたします。企業側でも特に採用担当者が注目する箇所であり、履歴書に書く時だけではなく、ウエブ上からエントリーシートなどで求人に応募する際にも必ず質問される項目のひとつです。
1.最初に何をするべきか? |
(1)自分の強みは何かを分析する。 ・就職を希望するにあたり、あなたの強みは何かをきちんと分析し、把握しておく必要があります。例えば、下記のような一覧表を作り、自分の経験や持っている知識、技術、スキルを分析してみると良いでしょう。 下記は筆者が考えたテーブルですが(それぞれの業務の内容やテーマについて、自分を分析するためのシートです)、ご自身が希望する職種に合わせてアレンジして下さい。 |
自己分析のためのグループ分け | ||||
得意か苦手か | 経験の有無 | 意欲 | 自分の強みになるかどうか |
得意 | ||||
経験がある | ◎ | 文句なく強みになる分野やテーマ | ||
未経験 | やってみたい | ◎ | 少し学べばおそらく伸ばせる | |
やりたくない | ◯ | 得意分野ならできるはず | ||
どちらでもない | ||||
経験がある | やってみたい | ◯ | 伸ばせる可能性がある | |
やりたくない | △ | 一定のレベルの業務はこなせる | ||
未経験 | やってみたい | ◯ | 身につけることができる | |
やりたくない | △ | 身につけることができる可能性はある | ||
苦手 | ||||
経験がある | やってみたい | ◯ | 身につけることができる可能性はある | |
やりたくない | × | 強みにできる可能性は少ない | ||
未経験 | やってみたい | △ | 身につけることができる可能性はある | |
やりたくない | × | 強みにできる可能性は少ない |
(2)志望する企業のことをできる限り調べる。 ・応募する企業の事業内容、従業員数、売上といった項目は最も調べやすい内容です。 ・例えば、事業内容。メインとなる事業、そして多角化の一環としてどのようなことをしているのかから始まり、本業以外にどんなことをしているのか、研究開発は?将来に向けた投資は?グループ企業にはどのような企業があるのか、取引先企業、競合する企業なども頭に入れます。 ・従業員数は? 過去10年間の売り上げの推移は? 募集している職種にはどのような分野があるのか なども参考になります。 ・その会社が今何に力を入れているのか、得意な分野は何か・強みは何か、課題は何かをきちんと頭に入れることが、就活に必ず役にたちます。 |
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2.志望動機は履歴書にだけ書くの? |
志望動機は履歴書以外にも書く。 ・市販の履歴書には「志望動機」の欄があり、ここに志望動機を記入しますが他にも志望動機を書くことができるものには、以下のようなものがあります。 (1)添え状 ・履歴書や職務経歴書を郵送する際に、封筒に入れる中身を説明する紙を一枚入れます。この添え状には、簡単な自己紹介とともに、希望職種や志望動機を書きます。 (2)職務経歴書 ・職務経歴書を自作する場合には、決まった書式があるわけではありませんので、自己PRや志望動機を簡単に記載することができます。 (3)エントリーシート ・ウェブ上から求人に応募する際には、志望動機についてを尋ねられることがあります。 |
3.面接でも志望動機を聞かれるのでは? |
面接でも志望動機は聞かれます。 ・面接では主に以下のことを聞かれます。代表的なものをご紹介します。 (1)志望動機 (2)前職がある場合には、その退職理由 (3)学生の場合には、学校で学んできたことや、専攻・専門分野、 卒論についてなど。 転職者の場合には、これまでの経験、身につけた知識、技術、 得意分野 (4)自己PR ・上記が定番です。上記以外の質問は、各社の採用担当がオリジナルの質問を用意しているものです。 ・言葉で答える内容と、履歴書の志望動機の欄とで全くバラバラなことを述べるよりは、ある程度内容が一致している方が良いでしょう。 |
4.学生と社会人.転職希望とでは、志望動機の書き方はちがうの? |
・志望動機の文章を作文する際に、学生と社会人(新卒と転職・再就職)とでは書ける内容が違います。ポイントをご紹介します。 [学生しか書けない志望動機] ・専攻、専門分野、卒論のテーマ、学んだことが活かせると思った。 ・サークル、同好会などでの経験が活かせると思った。 ・同じ大学の先輩の話を聞いて非常に興味を持った。 ・インターンシップを経験し、この仕事に就きたいと思った。 ・この仕事に就きたくて、そのためにこの学校で学んできた。 ・このテーマなら自信がある。(←自己PR的なニュアンスも含む) [社会人にしか書けない志望動機] ・これまでの経験や知識、技術、スキルが活かせると思った。 ・同じテーマで自分はこのレベルまで行っている(具体的なレベルを提示)、この会社でもう一段上をめざしたい。 ・この仕事に就きたくて、そのために改めて資格を取得した。 ・このテーマなら自信がある。得意な分野で思いきり働きたい。自分は即戦力としてすぐに役に立つことができる(←自己PR的なニュアンスも含む) |
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5.仕事の種類によって、志望動機欄の書き方にはコツがある? |
・応募する動機は人によって違うのはあたりまえですが、実際のところ…例えば、収入がまあまあだから、勤務地が近いから、休みが多いからなどの理由を志望動機に書くことはあまりありません。ただし、アルバイト(バイト)やパートの仕事の場合には、仕事の内容によっては、「勤務地が近いから」「自分の生活の時間に合わせて働けるから」といった志望動機はアリです。 ・ブルーカラーの仕事、ホワイトカラーの仕事について希望を述べる場合には、どんな仕事であっても仕事の種類に関係なく「自分にはこれができる。だから、この会社でこれをやりたい」といった書き方をするのが望ましいと思います。 |
6.志望動機を書く場合の注意点は? |
・志望動機を作文するにあたっての注意点は、以下のとおりです。 (1)敬語を正しく使います。例えば応募する企業に対しては「貴社」あるいは「御社」という表現を使いますし、「◯◯して頂く」「申し上げる」「伺う」「拝見する」など、文章の中でも敬語表現を正しく用いるようにします。採用担当者はあなたの社会人としてのマナーもチェックしているのです。 (2)これは筆者の私見ですが、転職者の場合、志望動機の欄に前勤務先の悪口は書かない方が良いでしょう。採用担当者としては、転職のたびに前職を悪く言う人なのかと思ってしまいます。印象が良くないだけでなく、もし将来また転職する場合に自社の悪口を書かれるのかもしれないと思うでしょう。 |
■ 履歴書に書く「志望動機」の例・文例
それでは、志望動機の欄の例文をご紹介します。スペースに限りがあるため、だらだらと書かずに短くまとめることが大切です。
また、履歴書と一緒に送る添え状などでも、志望動機を補足することができます。
※添え状については、こちらのページで詳しく説明しています>>>
全体の構成を考えてみる |
志望動機を作文するにあたり、下記の流れにあてはめて作文してみてください。 [全体の構成の例1] (1)自分はこんな知識や技術を持っている (2)自分はこのような実績を実際に挙げてきた (3)もし自分がこの会社に入ったらこれをやってみたい (4)だからぜひ活かす機会を与えてほしい [全体の構成の例2] (1)自分はこんなことを学び、経験してきた (2)もし自分がこの会社に入ったらこれをやってみたい (3)自分ならこういった提案ができると思う (4)だからぜひ活かす機会を与えてほしい [全体の構成の例3] (1)自分はこれがやりたい (2)なぜなら自分はこれができるから (3)もし自分がこの会社に入ったらこんなことができる (4)だからぜひ活かす機会を与えてほしい |
志望動機 文例1 |
私は大学では電気科でプラントエンジニアリングを学び、卒業後は一貫して◯◯◯プラントに関する業務を幅広く担当してまいりました。特に前職ではブラジルでの新工場立ち上げに際し、基本計画立案から設計、導入、現地操業要員の育成まで携わりました。この経験のお陰で私は◯◯◯の分野のプラントにおけるエネルギー供給について地球規模で考えなければならないという問題意識を強く持つようになりました。 このたび貴社が新工場において新しいプラントを計画しておられると知り、この経験をエネルギー供給と環境対応の両面を備えた新プラントにぜひ活かしたく応募致しました。設計から新技術の探索まで幅広い分野でお役にたてると思っています。ぜひとも機会を与えて頂きたくお願い申し上げます。 |
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志望動機 文例2 |
私は大学三年生の◯月に事務系および営業系のインターンシップを経験しました。 短い期間でしたが、社会人としての基本的な姿勢と仕事に取り組む上での考え方、自分自身で課題を見つけ解決していくことの大切さを学ぶことができました。 貴社は社会貢献度も高く、また世界市場を視野に入れた幅広い事業展開をしておられます。より高いレベルを目指す社風の中で、ぜひとも自分の力を存分に発揮し、且つ、課題を見つけ解決するプロセスを実際の業務の中で実践してみたいと思い応募いたしました。 何卒宜しくお願い申し上げます。 |
志望動機 文例3 |
前職は出産のために退職しました。子育てが一段落したのを機に医療事務の資格を取得し、腰を据えて長く勤められる勤務先を探していたところ、貴医院が求人しておられることを知り応募いたしました。 医療事務自体の実務経験はありませんが、出産前は営業の仕事をしておりましたので、患者さんには「明るく」「わかりやすく」を常に心掛けて接していきたいと思っております。また職場の明るい雰囲気づくりにもお役に立てるものと思います。ぜひとも宜しくお願い申し上げます。 |