ビジネスの手紙やビジネス文書に使う8月の時候の挨拶・8月の季節の挨拶のページ。
時候の挨拶は季節をあらわす挨拶の言葉として、手紙やはがきの挨拶文・書き出しや、メールの冒頭に使われ、ビジネス文書の冒頭などにも用います。季節感を表す言葉を書くことにより、相手の心に情景を呼び覚まし、季節の移り変わりを共に感じることができます。
ビジネスの手紙やビジネス文書で用いる八月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/月末)を掲載します。
目次
1.8月のビジネスの手紙・8月のビジネス文書 |
ビジネスの手紙やビジネス文書のうち、8月に書かれる可能性があるものをリストにしてみました。 |
8月に書かれるビジネスの手紙・ビジネス文書 一覧表 | |
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お中元のお礼状 | |
・地方によっては8月前半までお中元の時期になります。お中元が届いたらなるべく早くお礼状を出します。 ・お中元の時期は地域によって異なりますが、関東を中心とした地域では7月上旬〜7月15日頃、その他の北海道、東海、関西、中国、四国、九州などはもともとは旧盆7月15日〜8月15日頃の時期でした(現在では地方においても7月初旬〜にお中元を贈るケースが増えてきています)。 | |
暑中見舞い | |
・主に取引先や顧客あてに、暑中見舞いを出します。 ・暑中見舞いは7月初旬の梅雨明けの頃から、立秋(8月7日頃)までの間に出します。 | |
残暑見舞い | |
・主に取引先や顧客あてに、残暑見舞いを出します。 ・立秋(8月7日頃)を過ぎると暑中見舞いではなく残暑見舞いを書くようにします。残暑見舞いは8月末頃までの間に出します。 | |
就職イベントの案内 | |
・学生の夏休みの時期である8月に、地方での就職を想定した企業紹介やPR活動を行うことがあります。 | |
夏季休暇・夏季休業日の案内状・通知状 | |
・主に取引先や顧客あてに、夏季休暇・夏季休業日の日程の案内を書面や書状で送ります。最近はメールで送ることも多くなっています。 ・7月下旬〜8月上旬には送ります。 | |
サマーインターンシップの募集通知 | |
・夏休みとなる8〜9月の期間に企業体験をするのがサマーインターンシップです。ネット上で募集する企業も増えていますが、書面で募集する場合もあります。また、学校単位で募集することもあります。 | |
飲み会や親睦会の案内・通知 | |
・ビジネスの飲み会や親睦会の場合には、主に社内や取引先に対して案内や通知を出します。 ・季節柄、ビアガーデンを利用したり、バーベキューや納涼花火大会観覧などに合わせる等の機会があります。 | |
通常のビジネス文書、案内状、通知状 | |
・取引先や顧客に対してビジネス文書や、案内状、通知状を出すことがあります。 個人あてと、法人・企業・職場・団体・自治体・機関あてのケースがあります。 |
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2.8月の時候の挨拶 ビジネス文例(初旬・上旬) |
8月初旬・上旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。 |
(2-1)8月初旬・上旬の時候の挨拶 | |
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・立秋(りっしゅう) | 立秋は8/7頃(年によって異なります)なので、8/1〜8/7の手紙や文書に使える |
・土用(どよう) | 本来、土用は年に4回あるが、特に立秋の前の18日間が暑さが厳しい時期として知られている。ちなみに土曜の「丑」の日に限定してしまうと、7月20〜30日ころ(年によって異なります)になるので注意。 |
大雨時行 | 大暑の期間のうち最後の数日、8月2日〜6日ですから立秋の直前の時期にあたります。夏の激しい雨が降る季節をさし「たいうときどきふる」と読みます。 |
・朝顔 | 朝顔は夏のイメージがありますが、俳句の世界では秋の季語なので朝顔は8/7以降に使います。 |
・ひまわり | ひまわりは俳句の世界では立秋前に使います。8/7まで。 |
・暑中 | 立秋を迎える8/7まで |
・盛夏 | 立秋を迎える8/7まで |
・葉月 | 初旬・上旬に限らず、8月全般に使える |
(2-2)8月初旬・上旬のビジネス文例 |
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・個人あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し |
拝啓 立秋の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 朝顔の候 皆様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 盛夏の砌 皆様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。 注)みぎりを漢字で書く場合には「砌」=みぎりと読みます。候と同じく「〜の頃、〜の時期」という意味です。 |
拝啓 大雨時行の季節となりました。皆様におかれましては大過なくお過ごしでしょうか。 |
(8/7頃まで) 暑中お見舞い申し上げます。 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 |
(8/7を過ぎたら) 残暑お見舞い申し上げます。 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 |
・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し |
拝啓 盛夏の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 立秋の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。 |
(8/7頃まで) 暑中お見舞い申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 |
(8/7を過ぎたら) 残暑お見舞い申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 |
・結びの例(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。) |
暑さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具(8/7頃まで) |
残暑厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具 (8/7を過ぎたら) |
暑さはまだまだ続くようでございます。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 |
残暑はまだまだ続くようでございます。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 (8/7を過ぎたら) |
暑さ厳しき折柄、皆様のご健康をお祈り申し上げましてご挨拶とさせていただきます。 敬具(8/7頃まで) |
残暑厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください 敬具(8/7を過ぎたら) |
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
3.8月の時候の挨拶 ビジネス文例(中旬) |
8月中旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。 |
(3-1)8月中旬の時候の挨拶 | |
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・涼風至 | 8月7日頃から8月11日頃の手紙や文書に使える |
・寒蝉鳴 | 8月12日頃から8月16日頃の手紙や文書に使える。寒蝉鳴は「ひぐらしなく」と読む。寒蝉(かんせん)は、秋の季節に鳴くひぐらし、つくつくぼうしなどをさす。「かんぜみ」と読まれることもある。 |
・蒙霧升降 | 8月17日頃から8月22日頃の手紙や文書に使える。四字熟語として「もうむしょうこう」と読むこともあるが、立秋の末候としては「ふかききりまとう」(七十二候の三十九候)と読まれる。 |
・朝顔 | 朝顔は8月7日(立秋)以降に使う。ただし「朝顔市」という言葉なら7月となるので要注意。 |
・猛暑 | 梅雨が明けてから使うことが多い。7月〜8月中旬くらいまで使われる。 |
・酷暑 | 梅雨が明けてから使うことが多い。7月〜8月中旬くらいまで使われる。 |
・盆、盆明け | (7月15日頃に使うこともあるが、地域により異なるため)8月15日頃も使える。とりわけ8/13〜8/16のお盆期間にはお盆休み・夏季休業となる企業も多く、この期間を過ぎると「盆明け」となる。 |
・残暑 | 8月7日以降、8月末ころまで使える |
・晩夏 | 8月中旬以降に使える |
・葉月 | 中旬に限らず、8月全般に使える |
(3-2)8月中旬のビジネス文例 |
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・個人あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し |
拝啓 猛暑の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 残暑の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
拝啓 寒蝉鳴く頃となりました。 皆様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお喜び申し上げます。 |
残暑お見舞い申し上げます。 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 |
・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し |
拝啓 残暑の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 晩夏の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。 |
残暑お見舞い申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 |
・結びの例(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。) |
残暑厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具 |
残暑はまだまだ続きます。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 |
残暑厳しき折柄、皆様のご健康をお祈り申し上げましてご挨拶とさせていただきます。 敬具 |
残暑に重ね天候不順の折柄、くれぐれもご自愛ください 敬具 |
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
4.8月の時候の挨拶 ビジネス文例(下旬) |
8月下旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。 |
(4-1)8月下旬の時候の挨拶 | |
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・処暑(しょしょ) | 処暑は8/23頃(年によって異なります)なので、8月下旬の手紙や文書に使える |
・残暑 | 8月末頃まで使える。 |
・綿柎開 | 8/23〜8/27の頃の手紙や文書に使える。「わたのはなしべひらく」と読む。 |
・天地始粛 | 8/28〜9/1の頃の手紙や文書に使える。「てんじはじめてさむし」と読み、暑さが鎮まる頃をさす。 |
・晩夏 | 8月中旬以降、8月末まで使える |
・葉月 | 初旬・上旬に限らず、8月全般に使える |
(4-2)8月下旬のビジネス文例 |
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・個人あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し |
拝啓 晩夏の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 処暑の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
拝啓 処暑のみぎり 皆様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお喜び申し上げます。 注)みぎりを漢字で書く場合には「砌」=みぎりと読みます。候と同じく「〜の頃、〜の時期」という意味です。 |
拝啓 晩夏の候 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 |
・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し |
拝啓 晩夏の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 処暑の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 処暑の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 |
・結びの例(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。) |
残暑厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具 |
残暑で疲れが出る時期です。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 |
残暑厳しき折柄、皆様のご健康をお祈り申し上げましてご挨拶とさせていただきます。 敬具 |
残暑に重ね天候不順の折柄、くれぐれもご自愛ください 敬具 |
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |