企画書の書き方1》イベントほか、作り方をわかりやすく解説

 企画書の作り方、企画書の書き方のページ。企画書とは、何かを実行するための具体的な計画を記載した書類、またはアイディアや計画そのものを記載した書類のことを言います。本来企画書には具体性が求められます。
 しかし一方で、ビジネスの現場においては提案書と企画書の境目があいまいになっており、職場によっては提案書と似たような目的で企画書が作成されることもあります。
[参考ページ]
・企画書2(一枚タイプ)>>>
・企画書3(複数枚タイプ)>>>
・提案書の書き方>>>
・稟議書りんぎしょ>>>

1.企画書とは

 企画書とは、何かを実行するための具体的な計画を記載した書類、またはアイディアや計画そのものを記載した書類のことを言います。本来企画書には具体性が求められます。
 企画書の中で最も一般的なものは、「イベント、行事、広告、何らかの戦略を実行するためのプラン」あるいは、「新製品、新商品、新プロジェクトのアイディア」を記載した文書であり、会社(企業)や役所などの職場で広く用いられます。
 企画書の主な特徴には以下のものがあります。

企画書の特徴

1.企画書と稟議書の違いは?
 ●企画書はイベント、行事、広告、戦略、製品の開発や販売などを実行するためのプランを、わかりやすい形で示すことを目的とした書類であり、実際にその提案が受け入れられるかどうかに関しては検証や会議などのプロセスを要します。
●稟議書は主に了承を得たい事案に用いられます。
会議を開いて決裁を受けるほどではない事案が対象となり、書類に決裁権者から捺印を受けることで承認されたことになります。
(※稟議書=りんぎしょのページへ>>
2.企画書と提案書との違いは?
 ●提案書のうち最も一般的なものは、現状の課題や問題点を指摘し、その改善案を記載したものです。提案する案や意見が具体的なものでなくても「提案書」としては容認されます。アイディアや企画を提案する際にも用いられます。
●企画書は、あることを実行するための具体的な計画を記載した書類をさします。イベント、行事、広告、戦略、新規プロジェクト、新製品などに関して作成されることが多いものです。
提案書と企画書との違いは「企画書には具体性があること」です。
上記が企画書のおおまかな特徴であり、その目的によって記載する内容が異なります。
特に書類だけを見た人にも内容を伝えることができるように、読み手にとってわかりやすい表現にすることが求められます。
 企画書はビジネス文書のうちの一つです。下記に、企画書の主な特徴と、企画書を書く主なケースをご紹介します。

▼ 企画書の書き方(ビジネス文書としての企画書の主な特徴は?)

1.文章は短く簡潔に
 ・説明や表現は、簡潔で短い文章が好ましいとされます。
グダグダと説明せず、箇条書きのような表現も多く用いられます。
2.グラフや図を用いて分かりやすく
 ・文章だけで表現するよりも、グラフや図を用いてわかりやすく表現します。
 読み手が「一見してわかる」ようにします。
3.ページ数が多くならないように
 ・(どうしても必要な場合には、詳細資料を別途添付することもありますが)
一般的な企画書のページ数は1ページ〜数ページです。

▼ 企画書の用途 (企画書が作成される例)

※下記は一例です。
「イベント、行事、広告、何らかの戦略を実行するためのプラン」あるいは、「新製品、新商品、新プロジェクトのアイディア」
A.イベントの企画書
 ・パーティー、催し、コンサート、講演、展示などのイベントの企画書。
B.行事の企画書
 ・式典、祝賀会、偲ぶ会、謝恩会、成人式などの企画書。
C.広告の企画書
 ・あるものを広く知らせるために(告知するために)、具体的にどんな媒体で、どんな広告をするのかという具体的な内容や日程を書いた企画書
D.戦略の企画書
 ・販売戦略の企画書、経営戦略の企画書、営業戦略の企画書、エリア拡大・進出戦略の企画書。
E.新製品の企画書
 ・新製品の名称、外観、仕様、マーケティング戦略などを書いた企画書。
消費材だけでなく、生産材、ゲームや映画、書籍、プログラム・ソフトウェアの企画書などもある。
F.新プロジェクトの企画書
 ・新プロジェクトの目的、名称、概要、計画などを書いた企画書。
E.上記以外の、企画書が作成される事例
 ・企画書が用いられるシーンは業務関係にとどまらず、その内容も様々です。上記以外にも作成されることがあると思います。
例)業務提携の企画書など。
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2.企画書の書き方

それでは企画書の書き方をご紹介します。
書式に決まりはないのですが、最も重要なのはわかりやすく作成することです。
「ざっくりと理解する」というつもりでご覧下さい。
なお、わかりやすくするために番号をつけていますが、順番には特に意味はありません。

ビジネス文書[企画書]に盛り込む項目と書き方ポイント

項目説明必須度
[1]社内でよく用いられる企画書の書式
表紙
●表紙だけで、用紙を一枚使うこともあります。
●用紙サイズはA4が一般的。B4のこともあります。
●用紙の向きについては「縦」「横」に決まりはありません。
1.宛名、宛先
 ●社内あてに出す企画書の場合には、宛名は無しのケースが多いようです。
2.管理番号(あるいは通し番号、整理番号、受理番号)
 ●企画書は番号をつけて管理されることがあります。そのためナンバリングは不可欠であり、データとして管理する際に役にたちます。
一般的に番号の付与は、受理する部門の担当者(企画書を管轄している部署)が行なうことが多いようです(つまり、提案者ではなく、管理部門が番号をつけます)。その他に、部署ごとに通し番号を付与するケースもあります。
3.作成年月日
 ●企画書の作成日を記載します。
4.作成者・記入者の所属部署名および氏名
 ●企画書の作成者・提案者・記入者の所属部署名を記載します。
●企画書の作成者・報告者・記入者の氏名を記載します。
5.タイトル
 ●表紙の中央、または表紙なしの場合には文書の1枚目の中央上部に「企画書」などとタイトルをつけます。
●企画テーマをタイトルに入れることもあります。 例えば「◯◯年度 新商品企画書」「◯◯年度 FCオーナー総会企画書」のように、「◯◯企画書」という名称にして使用されます。
●まれにですが、本来は目的が異なる「提案書」と同じ目的で用いられることがあります。
6.情報公開の範囲、セキュリティーの度合い
 ●企画書に記載されている内容の閲覧が許される範囲を記載します。
例えば、社外秘、部外秘、関係者以外閲覧禁止、など。
逆に広報向け資料の場合には公開資料であることを明記します。
本文
●本文に関しては、 ページ数をナンバリングします。
●デザインに統一性を持たせます。
●片面印刷でも両面を使用しても構いません。
7.企画書の内容の項目
企画書はなるべくわかりやすく簡潔な表現を心掛けます。
(7-1)はじめに…(無しの場合あり)
 ●導入部分です。企画のきっかけとなった事柄などを書きます。動機づけの部分です。
(7-2)現状分析
 ●企画書のテーマや目的によっては、現状分析をします。
必要なら補足としてグラフやイラストなどを入れます。
(7-3)イベントや商品やプロジェクトの内容または概要
 ●メインとなる企画内容を書きます。
名称、概要、仕様、特徴などを述べます。
(7-4)目標または目的
 ●期待する成果や効果を書きます。
(7-5)手段
 ●企画内容を実現するための方法を書きます。
(7-6)必要となる費用、資源
 ●企画内容を実現するために「必要な費用」「必要な資材」「必要な人的資源」なども記載します。
(7-7)スケジュール
 ●達成のためのスケジュール、所要日数なども記載します。
8.受理日、受理印の欄
 ●企業・会社・役所、職場によって企画書の提出システムが異なります。
一元管理せず、担当者や関係者だけが企画書を保持保有している職場もあります(一元管理をしていない職場もあります)。
逆に、企画書を管轄する部署において、(必要があれば番号を付与してから)データを保管している職場もあります。こうした職場では受理印の欄が必要です。
9.別紙・資料
 ●企画書はなるべく少ない枚数で簡潔にまとめるようにします。
もし補足説明が必要な場合には、本紙では概要を述べ、詳細や資料は「別紙」という形で添付します。
見積書や写真、カタログ、イラスト、図面なども添付すると良いでしょう。

ビジネス文書[企画書]に盛り込む項目と書き方ポイント

項目説明必須度
[2]社外あてに出す企画書に良く用いられる書式
表紙
●表紙だけで、用紙を一枚使うこともあります。
●用紙サイズはA4が一般的。B4のこともあります。
●用紙の向きについては「縦」「横」に決まりはありません。
 
1.宛名、宛先
 ●社外あてに出す企画書の場合には宛名の記載ナシの書式を使用することもあります。不特定の相手に渡す可能性が高い企画書、もしくは複数の会社が関与するプロジェクトの場合に多くみられます。
●宛名ありの場合には、プレゼン用の企画書など、特定の相手にあてて提出するもので、宛先は会社あてとなります。
「◯◯株式会社 御中」「株式会社◯◯ 御中」などと書くのがビジネスマナーです。
※その他のビジネスマナー
・会社名は正確に記載(誤字がないかチェック)
・宛名が社名ではなく部署の場合には、以下のようになります。
  「見本食品株式会社 商品開発部 御中」
 
2.管理番号(あるいは通し番号、整理番号、受理番号)
 ●企画書は番号をつけて管理されることがあります。社外あての企画書の場合でも、社内での管理はもちろんですが、もしあとで取引先から照会があった場合には該当する番号をもとに対応が可能です。
●一つのプロジェクトに関し、複数のバージョンの企画書を作ることがあります。例えば新製品の企画書の場合を例に挙げると「製造部門向け企画書」「営業会議用の企画書」「バイヤー向け企画書」「広報用企画書」などです。こうした場合にも、バージョンごとにデータ管理をする目的で記号や番号を付与します。
 
3.作成年月日
 ●企画書の作成日(年月日)を記載します。
年号は西暦で記載されることが多くなっています(西暦でなければならないというものではありません)。
 
4.作成者・企画者・発行元など
 ●社外あての企画書の場合には、会社名、もしくは会社名+部署名を記載します。役所などでは、市区町村名、もしくは市区町村名+部署名などとなります。
 
5.タイトル
 ●表紙の中央、または表紙なしの場合には文書の1枚目の中央上部に「企画書」などとタイトルをつけます。
●企画テーマをタイトルに入れることもあります。 例えば「◯◯年度 新商品企画書」「◯◯年度 FCオーナー総会企画書」のように、「◯◯企画書」という名称にして使用されます。
●まれにですが、本来は目的が異なる「提案書」と同じ目的で用いられることがあります。
 
本文
●本文に関しては、 ページ数をナンバリングします。
●デザインに統一性を持たせます。
●片面印刷でも両面を使用しても構いません。
 
6.企画書の内容の項目
企画書はなるべくわかりやすく簡潔な表現を心掛けます。
各項目ごとに用紙を1枚用いることにより、より一層簡潔でわかりやすい表現を強調することがあります。 ただし、全体の枚数は10枚以内程度におさめるように心掛けます。
 
(6-1)企画名、商品名、プロジェクト名、イベント名、戦略名など。
 ●企画書の内容をサブタイトルとして記載します。ただし、企画書そのものにこの名称をつけた場合には省略されます。
(6-2)目次
 ●企画書の項目を挙げて目次をつくります。ページ番号をつけて目次の項目と連動させます。ただし、ページ数が少ない場合には省略されることもあります。
(6-3)はじめに…(無しの場合あり)
 ●導入部分です。企画のきっかけとなった事柄などを書きます。動機づけの部分です。
(6-4)現状分析
 ●企画書のテーマや目的によっては、現状分析をします。
もし内容の説明が必要な場合には、補足説明用にグラフやイラストなどを入れます。
(6-5)内容または概要
 ●メインとなる企画内容を書きます。
名称、概要、仕様、特徴などを述べます。
企画書はなるべく簡潔にまとめるようにします。
もし内容の説明が必要な場合には、補足説明用にグラフやイラストなどを入れます。
●合わせて「必要な費用」「必要な資材」「必要な人的資源」なども記載します。
(6-6)目標、目的、期待される効果
 ●目的や期待される成果、効果を書きます。
●社外にプレゼンする企画書の場合には、こうしたメリットだけでなく、あなたの会社がどのようにこの企画にかかわることができるのかをわかりやすく提示します。
(6-7)スケジュール
 ●達成のためのスケジュール、所要日数なども記載します。
●日程を工程表のような図にすることもあります。ただし、企画書の段階では詳細なものは必ずしも必要ではありません。概略を掲載します。  
 
7.別紙・資料
 ●企画書はなるべく簡潔にまとめるようにします。
もし補足説明が必要な場合には、本紙では概要を述べ、詳細や資料は「別紙」という形で添付します。
見積書や写真、カタログ、イラスト、図面なども添付すると良いでしょう。
 
8.その他
 ●ケースバイケースですが、社外に出す企画書には、Copyright表示をすることもあります。(Copyright=コピーライト。著作権表示です。無断で使用することは著作権の侵害となります)
 
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3.企画書の書式・雛形・サンプル

  別ページに一般的な企画書としてに使える企画書の書式例をご紹介します。ご自身で雛形をお作りになる際に参考になさってください。
書式には、大きく分けて2つのタイプがあります。

ビジネス文書[企画書]の書式

タイプ説明
[1]1枚タイプの企画書の書式
 ●同じ書式のものを常に使う場合に適しています。雛形を作っておき、同じ用途の時には常にその書式を用いるように決めておきます。
提案型の企画書にも多く用いられるようです。
例えば、ある特定のジャンル()に限定した上での「新製品の企画書」などの場合では、A4一枚に次のような項目を記載することができる書式を用意することがあります。
【新製品の企画書に掲載する項目のサンプル】
 ◆ネーミング・商品名・ブランド名
 ◆商品コンセプト
 ◆デザインイメージ
 ◆ターゲット
 ◆販売価格・卸売価格・原価または利益(利益率、粗利)
 ◆販売予定数量
 ◆発売時期
 ◆製造工場または委託先
 ◆販売チャネル・流通先
 ◆広告媒体
 ◆競合
「ある特定のジャンル」とは、ゼロから新規に生み出すものではなく、すでに既存品のラインナップがある場合などを指します。
例えば、「すでにキャンディーを販売している会社が、新商品のキャンディー(新しい味のキャンディー)を出す」などといったケースです。
[2]ページが複数枚になる企画書の書式
 ●プレゼン用・説明用に良く用いられるタイプです。
● 各項目ごとに1枚ずつ用紙を使うものが多いようです。決まった書式はないが、簡潔でわかりやすい表現をすることが必要です。
企画書全体のデザインに統一感をもたせ、トータル枚数が多くなりすぎないようにします(提案書でも同様の書式のものがあります)。
●グラフや図を用いると、数字を書き並べるよりもいっそうわかりやすくなります。
注意点としては「現状分析」だけで終わらないこと。「目標」だけで終わらないこと。実現するために何をするのか「具体性」が不可欠です。
【イベントの企画書に掲載する項目のサンプル】
 ◆イベントの名称
 ◆目的
 ◆イベントのコンセプト
 ◆デザインイメージ、演出イメージ
 ◆ターゲット
 ◆費用
 ◆参加予定人数(出席見込み人数)
 ◆日程・スケジュール
 ◆イベントの進行表・式次第
 ◆ゲスト
 ◆告知・連絡(広告)
 ◆(効果)
※これら[1][2]について、具体的な書式の例を次のページで紹介します。
画像を紹介し、各項目を説明しつつ例文も載せていますので、企画書の雛形を作る際の参考になさってください。
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