お盆(初盆)の準備とやり方は?迎え火・送り火も解説

旧暦の7月15日に、亡くなった人を祀る儀式をお盆と言いいます。
お盆とはもともとは仏教用語であるサンスクリット語の盂蘭盆(うらぼん)、盂蘭盆会(うらぼんえ)から来た行事です。
現代ではお盆の時期・期間は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間に行なわれます。供物をささげ、供養をする行事として現代に伝わっています。
このページではお盆、初盆、新盆の準備や儀式についてご説明します。なお、初盆に招かれた場合の服装や持参する香典などは次のページをご参照下さい
[関連ページ]
3. 法事・法要の流れ 次のページ
4. 法要のあとの会食「お斎(おとき)」次のページ
5. 初盆に招かれたら(初盆の服装や持参する不祝儀(香典))次のページ
[参考ページ]
法事の礼状・法要礼状
初盆・新盆 香典の金額相場
初盆・新盆 香典の書き方
初盆・新盆
お盆玉(ぼんだま)
法事・法要
お斎(おとき)、会食

1.お盆について(意味と時期、お盆の行事)

[盆・お盆とは]

 お盆とは亡くなった人を祀る儀式をさします。もともとは仏教用語であるサンスクリット語の盂蘭盆(うらぼん)、盂蘭盆会(うらぼんえ)から来ており、旧暦の7月15日に行なわれる行事です。
 昔、お釈迦様の弟子の1人が、自分の母親があの世で極楽に行けず「餓鬼道」というところで飢えに苦しんでいることを知り、お釈迦様に相談したところ、7月15日に多くの食べ物や供物をささげて供養をすれば救われると諭されました。お釈迦様の教えの通りにしたところ、母親は無事に往生が遂げられたというものです。
この事から供物をささげ、供養をする行事として現代に伝わっています。

このページではお盆、初盆、新盆についてご説明いたします。

[お盆の時期・期間]

 お盆の時期は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間に行なわれます。

 余談ですが同じ7月15日頃の行事には、中国の道教の「中元」という行事があります。
 もともと道教には、三元(上元、中元、下元)という儀式いがあり、天地水の三人の神様が生まれた日とされています。中元はこのうちの一つ、地の神様が生まれた日で、これまでの罪を懺悔し、火を焚いて祈りを捧げる儀式の日です。
 ちょうど同じ7月15日頃に仏教のお盆があるために、日本では三元のうち中元だけが定着し、祖先の霊を供養し、世話になった人に贈り物を送る習慣(お中元)へと変化していったという説があるようです。
 そういえば、中元と言って火を焚くという習慣は現在の日本にはありませんが、逆にお盆の行事として迎え火、送り火などの火が焚かれますね。
現在のお盆では、死者が年に一度帰って来るという信仰に基づいた儀式が各地に残っています。

お盆の時期は地方によって異なりますが、7月13日からまたは8月13日から4日間に行なわれます。

[お盆の時期に行なわれる主な行事・お盆の行事]

※お盆の行事は、一般的に7月(新暦のお盆)または8月(旧暦のお盆)に行なわれます。
(旧暦または新暦の7月15日頃。旧暦の7月15日は現在の8月15日頃になります)
 ・13日…迎え火。死者を家に迎えます。
 ・16日…送り火。死者を送ります。
 ・お墓の掃除とお墓参り。
 ・精霊棚(しょうりょうだな)・盆棚(ぼんだな)を飾る。
 ・盆提灯を飾る。
 ・僧侶を呼び供養の法要を行なう。特に初盆・新盆の場合

上記の他、お盆の風習は地方によってさまざまです。
例えば、「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。
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2.初盆・新盆の法事、法要のやり方

初盆・新盆とは、告別式を終え四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆のことを言い、「はつぼん・にいぼん」と読みます。
四十九日よりも前にお盆が来た場合には、初盆の法要は翌年に行ないます。

 親族、知人、友人などを招き、僧侶による読経、遺族及び参列者による焼香のあと、精進料理でおもてなしをします。
僧侶も忙しい時期ですので、1ケ月以上前に予約を入れることをおすすめします。

[精霊棚について]いつ飾る?棚のしつらえ方、盆花や供物の飾り方

お盆の供養の時の飾り付けを精霊棚(しょうりょうだな)と言います。
ご先祖を供養する気持ちが大切だと思いますので、しきたりどおりにこだわる必要はないと思います。一般例をご紹介します。


◆精霊棚は、いつ頃飾るの?
8月12日ころに飾ります。
位牌を仏壇から取り出し、仏壇の扉は閉めて、その前に飾り付けをします。

◆まずは棚をしつらえる。
本来は、笹の支柱に真菰(まこも)の綱を張り、棚を作った上に真菰を敷いて作りますが、四本足の小机に白布を敷いて代用しても良いと思います。小机の後方のニ本の足にそれぞれ少し背の高い笹をくくりつけるとニ本の支柱ができます。そこに綱(つな)をわたし、盆花をさかさにつるします。
(※4本の支柱を作る地域もあります。その場合は、四方に綱を張り、結界を作るとされています。)

◆盆花を飾る
盆花として綱に逆さに吊るす草花の種類は、地方によってさまざまです。ほおずき、栗の葉、ガマの穂、枝豆、里芋、粟(アワ)、桔梗、みそはぎなど。
つるさずに、花立てに盆花を飾るだけの地域もあります。

◆いよいよ棚の上のかざりつけ
中央にはご位牌を飾り、その前に仏茶器、仏飯器、高杯、さらにその前に燭台、香炉、鈴などをかざります。 最前列には旬の食べ物や供物をかざります。

◆お盆のお供物いろいろ
お盆のお供物のなかに「水の子」というものがあります。これはナスをサイの目に切ったものを蓮の葉にかざったもの、あるいは、洗った米にキュウリとナスのサイの目切りを混ぜたものを、蓮の葉に飾ったものです。蓮の葉が無ければ、お椀でも良いでしょう。サイの目切りのナスや米は、百八つの煩悩を表わすと言われています。

◆胡瓜の馬と茄子の牛を手作り
キュウリの馬は、早くお迎えしたいので、馬に乗って一刻も早くおこし下さいと言う気持ちを。
ナスの牛は、滞在後は牛に乗ってなるべくゆっくりお帰り下さいという気持ちを表わしています。

真菰(まこも)というイネ科の植物で編んだ馬や牛を飾る地方もあります。真菰(まこも)は、出雲神社のしめ縄にも使われ、古くから神事、仏教行事のいずれにも用いられ、古事記や日本書紀などにも登場します。特に仏教ではお釈迦様が真菰で編んだ筵(むしろ)に病人を寝かせ治療したという説話がら、盆舟、盆ゴザにも用いられます。
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[盆提灯について]初盆・新盆用の盆提灯とは?

お盆に、霊が迷わず戻って来られるように、目印として飾ると言われています。 盆提灯には、初盆・新盆用の「白提灯」と、それ以降に用いる「絵柄の入った提灯」の二種類があります。

盆提灯は、親族が購入するのがならわしでしたが、住宅事情や飾るスペースなどを考慮し、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。

初盆・新盆用の白提灯は1つだけあれば良いでしょう。玄関先(あるいは、縁側の軒先などの、危なくない場所)に飾ります。
絵柄の入った提灯は、精霊棚の両側や、仏壇の両側などに飾ります。
お盆が終わった白提灯は、送り火で燃やしたり、菩提寺に供養をお願いしたりします。
事前に、お寺に確認すると良いでしょう。絵柄の入った提灯の方は毎年使いますので、ホコリを払い、良く拭いて箱に入れて保管します。素材によっては、防虫剤を入れて下さい。
なお、多くの場合、納骨は四十九日または百箇日の法要の際に行われます。最も多いのは、四十九日の忌明けの日に納骨するケースのようです。 ★下記に、遺族が行うお盆の法要の準備についてご説明しています。↓

お盆の法事・法要の準備のやり方・仕方(遺族)

お寺の手配、引出物の手配、食事の手配などを行ないます。
地方により、7月に行なう場合と8月に行なう場合があります。
1.お盆の日程
時期準備するものと内容解説
〜1ケ月以上前までに
 準備するものと内容解説
お寺の手配
(詳細は下記4にて)
お盆期間はお寺も大変忙しい時期です。
僧侶のご都合を聞き、予約を入れます。
〜12日までに
 準備するものと内容解説
購入・組み立て
[初盆・新盆の場合]
灯篭、盆提灯の購入
精霊棚の組み立て
お供物の準備など

[2年目以降]
精霊棚の組み立て
お供物の準備など
提灯を箱から出したり、棚を組み立てたりします。
まだ飾り付けはしません。

新しいロウソクやお線香など、必要なものは、この日までに購入しておきます。迎え火や送り火のときに用いる松の割り木なども購入しておきます。
時期準備するものと内容解説
13日
 

お迎えの日(迎え火を焚く日)

[午前中]
精霊棚の飾り付け
お供物・供花をします。
・仏壇から位牌を出し、精霊棚の中央に置きます。仏壇の扉は閉じておきます。
・精霊棚の飾り付けや、お供物や盆花をお供えします。
[日中]
お墓参り
・お墓まで霊を迎えに行くという地方もあります。お墓参りをし、お墓で提灯に火を灯します。できればその火を消さずに提灯を自宅まで持ち帰ります。
[夕方]
迎え火を焚く
提灯に火を灯す
・迎え火として、松の割り木や麻幹(おがら)を焚きます。
・盆提灯に火を灯します。(日中、お墓から提灯に点灯して持って来た場合を除く)
14〜15日
 お墓参り
法要と会食
・お盆期間中には、ぜひ一度は家族全員でお墓参りをしましょう。
・初盆に僧侶を呼んで読経を行なう法要は、14日または15日に行なわれます。
・霊が帰ってきている間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は毎日交換します。
時期準備するものと内容解説
16日
 お送りの日(送り火を焚く日)
[午前中]
最後のお供えものをする
・家で過ごす最後の朝なので、心をこめてお祈りをします。
[夕方]
送り火を焚く
・また来年来て下さいという気持ちをこめてお送りします。初盆・新盆で使用した白提灯は一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。

お盆の法事・法要の準備のやり方・仕方(遺族)つづき

2.お寺への連絡
・初盆の場合には、なるべく早く菩提寺に連絡をします。

・菩提寺とは、先祖代々の墓をお願いしているお寺をさします。霊園、墓地などを利用している御家庭では、葬儀の際に世話になったお寺に依頼すると良いでしょう。

・念のため、白提灯の供養の仕方も確認しておきます。
3.料理の手配をする
・法要のあと会食がある場合には、料理の手配または用意をします。

・仕出しなどを予約する場合には、おめでたい伊勢海老や、鯛などの献立は避けた方がよいので、予約の際には「お盆の法事で利用します」と、利用目的を告げましょう。
4.案内状の手配
・親族だけで行なう場合には電話での連絡でも良いでしょう。
・初盆だけは、親族だけでなく知人や友人たちを招いて法要を行うのが一般的です。お葬式のときに記帳して頂いた会葬者名簿などをもとに案内状を出します。初盆以外は親族だけで行います。

・初盆や、会社関係などで執り行うお盆の法要の場合には、往復ハガキや返信用のはがきを同封した封書などで、案内状を用意し、出欠をたずねます。

※ご参考…法事法要の案内状へ>>>
※ご参考…初盆の法要の案内状へ>>>
5.引出物の手配
・引出物はお盆の法要の参列者へのお返しの一部と考えられます。法要のあとで会食を行なう場合には、その会食もお返しの一部となります。

・のしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。
・引き出物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や食品等が良く用いられます。遠方からの方もいらっしゃるので、かさばるものは避けます。最近はカタログギフトも増えました。予算は@2,000〜5,000円程度が一般的です。

・引出物ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。

・法事の後、おもてなしの席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引出物と一緒にお渡しします。
6.御布施・お布施などを用意しておく につづく
お盆の法事・法要の準備のやり方・仕方(遺族)つづき
6.御布施・お布施などを用意しておく
・僧侶にはお礼をお渡ししなくてはなりませんが、僧侶が法要のあとのお食事(お斎)に同席して下さる場合には、御布施または御経料、お車代の2つを用意します。
もし、僧侶がお斎を辞退されたら、御布施または御経料、お車代のほかに、御膳料を加えた3つをお渡しします。

・お布施やお礼の金額の目安(相場)をご紹介します(2019年6月現在)
……お布施または御経料は、初盆の場合3万円程度
     (ふだんのお盆は1万円くらい)
……お車代は、5千円〜1万円くらい。
……御膳料は、5千円〜2万円くらい。

・お金を入れる袋の表書きは薄墨ではなく普通の墨で書きます。
半紙の中包みに入れ、奉書紙で慶事の上包みの折り方をするのが最も丁寧な形ですが、市販の白い封筒で構いません。郵便番号欄の無い無地の封筒を用います。
・直接手渡しせず、小さなお盆などに載せてお渡しします。お盆も用意しておきましょう。
※参列者が用意する不祝儀(香典)については、次のページにて>>>
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※なお、法事の礼状・法要礼状は法事のページで解説しています>>>
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