法事のお返し》引出物のし紙は?のしの表書きと書き方ほか

法事のお返しとは、法事法要で頂いた香典のお返しのことをさします。法事法要(例えば四十九日、初盆、一周忌、三回忌、七回忌ほか)に出席された方や、香典を頂いた方にお返しをします。出席者を法要後に会食・お斎でおもてなしすることもお返しとなりますが、通常は更にお返しの品物を用意します。ここでは法事のお返しののしの表書き、品物の金額、お礼状の書き方、法事のお返しを頂いた場合のお礼はどうする?などについて解説します。
[関連ページ]
5. 法事のお返し・法要のお返しの金額…次のページ
6. 法要のあとの会食「お斎(おとき)」…次のページ
7. 法事のお礼状、法要のお礼状 書き方・文例…次のページ
8. 法事のお返しのお礼…次のページ
[参考ページ]
法事法要の流れとマナー・服装
法事法要の流れとマナー
法事・法要での挨拶
法事の会食、お斎(おとき)
年忌法要早見表

1. 法事法要の種類(法事とは)

法要とは・法事とは、故人の冥福を祈り、供養をするための仏教行事です。仏教においては僧侶により読経がされ遺族や出席者による焼香が行われます。
百箇日などのように一般的に遺族だけで供養される法要もありますが、四十九日の法要をはじめ、初盆、一周忌などの節目となる法要では、遺族以外の親族や故人と親しかった友人、知人などをお招きして法要が営まれます。 下記に、主な法要を紹介します。

主な法要(遺族以外も招く法要は?)

法要の名称時期法要の内容
四十九日(しじゅうくにち) 七七日忌 (しちしちにちき) (なななぬか)
 49日目遺族、親族、友人、知人などが参列。僧侶による読経のあと、一同で焼香・会食(お斎)をします。
※この日が忌明けとされます。
※この日に納骨するケースが多いようです。
初盆・新盆(はつぼん・にいぼん)
 四十九日を過ぎて初めて迎える盆遺族、親族、友人、知人などが参列。僧侶による読経のあと、一同で焼香・会食(お斎)をします。
一周忌(いっしゅうき)
 満1年目遺族、親族、友人、知人などが参列。僧侶による読経のあと、一同で焼香・会食(お斎)をします。
三回忌 (さんかいき)
 満2年目遺族、親族、友人、知人などが参列。僧侶による読経のあと、一同で焼香・会食(お斎)をします。
七回忌 (ななかいき)以降
 満6年目以降遺族、親族のみで供養するのが一般的です。 一般的に、七回忌を過ぎた頃から、法要の規模を縮小していきます。
なお、仏教以外でも、日程は異なりますが故人を偲ぶ儀式が行われます。
キリスト教では追悼ミサや昇天記念日、記念ミサほか。
神道では五十日祭、式年祭など。
詳細は「法事法要2」へ>>>

2. 法事のお返しとは

法事のお返しとは、法事法要に出席された方や香典を下さった方に対するお礼もしくはお礼の品のことをさします。

法事法要のあとで会食(「お斎(おとき、と読みます)」を催す場合には、食事でおもてなしすることもお礼のひとつとなります。
 通常は会食とは別に品物としてお返し(引出物)を用意します。この引出物が法事のお返しとされます。

法事のお返しとは…下記の3つが該当する

1. 法事法要のあとで食事・会食(お斎)でおもてなしする
2. 法要の際に引出物を渡す
3. 法事法要に出席されなかった相手から香典を頂いたらお礼状を添えて返礼品(お返しの品・お礼の品)を送る
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3. 法事のお返しののし、表書き、書き方

下記は、法事の引出物ののしについて解説しています。
法事の後でおもてなしの食事・会食の席を設けない場合には、折り詰めの料理と酒の小瓶を用意し、引出物と一緒にお渡しします。

法事のお返し「引出物」の、のしの表書き

・仏教の場合、引出物ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か双銀の結び切りを用います。
[水引きについて]
一般的には黒白または双銀などを用いますが、関西の一部の地域では黄白の水引を使う地域もあります。また、地域によっては忌明け(四十九日)以降は黄白の水引を使う地域もあります。
[墨の色は?]
濃墨で書きます。理由…四十九日以降ののし紙に書く際の墨の色は薄墨ではなく濃い墨(普通の真っ黒な墨)となります。
[ポイント]
・「粗供養」は四十九日以降の法事に使える表書きです。
・「志」は通夜葬式葬儀の引出物・香典返しにも使え、法事のお返しにも使える表書きです。
・四十九日のみに使える「満中陰志」「忌明志」という表書きもあります。

のし紙の書き方

のし紙の下段の書き方は、以下の見本画像のいずれでもOKです。
※仏教以外の場合は?
仏教以外の宗教(キリスト教、神道)でも、「御礼」「志」の表書きは使うことができます。

志

のし紙の下段の書き方は、姓だけの場合もあります。

志

のし紙の下段の書き方は喪主・施主のフルネームの場合もあります。

志

のし紙の下段の書き方は喪主・施主の姓に家をつけて「◯◯家」と書く場合もあります。
一例としては例えば故人の子どもたちが葬儀や法事の際に費用を出し合う場合などに多くみられます。

4.法要のお返しの品・品物(お菓子は?商品券は?)

・法事・法要のお返しでよく用いられる品・品物は、日常生活の中で消費されるもの=いわゆる「消えもの」です。
お返しの品として特に人気のある品物は下記のとおりです。

香典返しの例

法事のお返しの品物の例とマナー
 ・お返しの品には「消費されて消えてなくなるもの」が良く用いられます。
人気のあるお返しの品の例…お菓子、洗剤、石鹸、お茶、海苔、タオル、ハンカチ、入浴剤など。
・お菓子は日持ちするものを選ぶようにします。その他にも基本的には生ものや日持ちしないものはNGです。また要冷蔵の品など、持ち帰りが不便なものもNGです。
相手の家族構成やライフスタイルを考えて無難なものを選ぶのがマナーです。
 
その他のお返し品
 ・近年利用が増えている返礼品としてカタログギフトがあります。高額の香典のおかえしの際などに特に利用されます。また、グルメカタログも人気があります。
【商品券は?】
・法事のお返しとして商品券を用意するケースもあります。しかし、商品券は金額が相手にわかってしまうため、先方から頂いた香典の金額と直接比較されてしまいます。そのためお返しとして使わない方が良いという考え方をする方もいらっしゃいます。もし商品券を返礼品とする場合には遺族でよく相談して下さい。
 
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※参考ページ 法事法要の流れとマナー・服装>>>
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