地鎮祭の流れ》行事の進行(式次第)などについて解説します

地鎮祭の流れ・行事の進行と時間・所要時間、地鎮祭を執り行う時間帯はいつがいいのかについて解説します。
地鎮祭は建物の建設や工事を行う際に、工事の無事と建物の繁栄を祈る行事です。全体の式次第は修祓(しゅうばつ)、降神(こうしん)、献饌(けんせん)、祝詞奏上、切麻散米、地鎮の儀、玉串奉奠(たまぐしほうてん)、撤饌(てっせん)、昇神(しょうじん)など、およその流れが決まっています。

[参考ページ]
・地鎮祭の準備>>>

・地鎮祭のお供え物 セット>>>

・地鎮祭の流れ>>>・(同上) 酒>>>
・地鎮祭ののし袋の書き方>>>・(同上) 持ち帰り>>>
・地鎮祭のお金の入れ方>>>・(同上)乾物>>>
・地鎮祭の挨拶>>>・(同上) 魚,野菜,米,菓子,食べ方>>>
・地鎮祭の服装 >>> 
・地鎮祭の服装 男性>>>・地鎮祭の服装 会社>>>
・地鎮祭の服装 女性>>>・地鎮祭の服装 子供>>>
・地鎮祭の服装 ジーパンでもいい?>>>
・地鎮祭 参列者,費用,流れ>>>
・地鎮祭のお金、相場、工務店への謝礼>>>
・地鎮祭は 必要なの?>>>
・地鎮祭 必要なものと費用は?>>>
・地鎮祭 流れと時間,所要時間,時間帯>>>

1.地鎮祭の流れ

下記にご紹介するのは、一般的な地鎮祭の流れです。頭に入れておけば緊張せずに済むでしょう。神社によっては最初に全体の流れについて神職が説明してくれることもあります。
儀式の大まかな流れとしては、神様に捧げものをして神職によるお祓いや祝詞が行われたのち、施主、施工業者が初めてその土地に鍬(くわ)や鋤(すき)を入れ、工事の無事を祈るものです。

地鎮祭の式次第(進行)

0.入場および開式の辞
 神職、施主、施工会社、工事関係者、来賓、一般参列者が配置につきます。
1.修跋の儀(しゅうばつのぎ、しゅばつのぎ)
 お祓い(=おはらい)のこと。神に祈りを捧げ穢れを祓い心身を清めます。
2.降神の儀(こうしんのぎ)
 祈りによって神を招きます。
3.献饌(けんせん)
 神職が神に捧げ物をします。
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
 神職が祈りの詞(ことば)を神に捧げます。
5.切麻散米(きりぬささんまい)
 切麻とは、麻布と紙を四角く細かく切ったもの。祓い清めるために撒きます。
 同様に米も四方に撒いて祓い清めます。
6.地鎮の儀(じちんのぎ)
 施主、工事業者が、鋤、鍬などを持ち、初めて土地に鋤や鍬を入れます。
 そのあと神職が鎮め物をします。
7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
 参列者が榊の玉串を祭壇にお供えします。
8.撤饌(てっせん)
 神職がお供えものをお下げします。
9.昇神の儀(しょうじんのぎ)
 神職が神様に帰っていただくための儀式をします。
10.閉式の辞(へいしきのじ)
 進行役が地鎮祭の終了を告げます。
11.神酒拝戴(しんしゅはいたい)
 お神酒を頂きます。直会(なおらい)の儀とも言います。
12.儀式の終了後
 施主が神職や参列者にお礼を述べ、終了となります。
 施主はご近所への挨拶を行います。

地鎮祭の流れ 詳細

地鎮祭の司会者は誰がする?
進行役としての司会者は、会社の建物や公共の建物などの大規模なものについては施主側が用意することもありますが、一般の個人宅の場合は(施主は地鎮祭の経験が少なく不慣れなため)工務店、施工会社などが行います。
 
0. 入場および開式の辞

所定の位置に並び、開式を宣言する

・神棚に向かって右側が施主および一般参列者、左側が施工会社、設計、工事関係者です。整然と並び静かに待ちます。
・全員が揃ったところで、司会者が儀式の開始を宣言します。

祭壇や、出席者、参列者の 一般的な配置は以下のとおり

  祭壇  
  玉串案  
 忌鎌, 忌鍬, 忌鋤
   盛砂 
施工会社, 工事関係者施主および一般参列者
地鎮祭の流れ つづき
1. 修跋の儀 (しゅうばつのぎ、しゅばつのぎ)

祭壇、土地、参列者をお浄めする。

・全員起立して拝礼をします。
・神職が御祓詞(はらえことば)を唱えながら、ご神前、工事をする土地および参列者の身を浄めるためのお祓いをします。
・お祓いが終わったら全員着席をします。
2. 降神の儀 (こうしんのぎ)

神様をお迎えする。

・全員起立します。
・神職(斎主)が神様を祭壇にお迎えします。
・神様をお迎えしたら、全員着席をします。
3. 献饌 (けんせん)

神様にお供え物をする。

・神職(斎主)が神様にお供え物を差し上げます。
・ 一同、着席したまま静かに待ちます。
4. 祝詞奏上 につづく
地鎮祭の流れ つづき
4. 祝詞奏上(のりとそうじょう)

神様に祈りの詞をささげます。

・全員起立します。
・神職(斎主)が神様に工事の安全を祈る祝詞(のりと)を奏上します(読み上げます)。
・祝詞奏上が終わったら、一同着席します。
5. 切麻散米(きりぬささんまい)

神職が工事を行う土地を清めます。

・神職(斎主)が土地を清めます。
・一同、着席したまま静かに待ちます。
6. 地鎮の儀 (じちんのぎ)

その土地で初めて草を刈る「刈初(かりぞめ)」、
初めて土をおこす「穿初(うがちぞめ)」、
初めて土をならず「土均(つちならし)」を行う。
最後に神職が鎮め物を納める。

・例えば設計者が「鎌」、施主が「鋤」、施工会社が「鍬」をもちます。
(三者全員がスコップを持つなど、やり方はアレンジが可能です)
・三者が同時に砂に向かう場合と、独りずつする場合とあります。工事の規模や神社によってやり方が多少異なります。
・このあと、神職が鎮め物(しずめもの)を納めます。
 神職が鎮め物を納める間、三者はその場で待ち、儀式が済んだら三者は自分の席に戻ります。
・他の参列者は、着席したまま静かに見守ります。
7. 玉串奉奠 (たまぐしほうてん)

神前に玉串を捧げます。

・参列者は玉串を受け取り神前に進みます。
1)葉先が左。左手で葉を下から支えるように持ち、右手で玉串の根元を上からもち、神前に進み一礼します。
2)玉串を時計回りにし、右手で持っている根元を自分の前に持ってきます。葉の方の左手は神前に差し出すように下から葉を支えます。
3)玉串を額に近づけるように掲げ、工事の無事を祈念します。
4)玉串をもとの高さに下げ、左手で根元の方を持ち、右手で葉の方を持つように、手を持ち替えて更に時計回りにします。
5)根元が祭壇の方を向いたところで、 神前に一歩進み、玉串を胸の高さに掲げ、玉串案にお納めします。
6)一歩下がって二礼二拍手一礼をします。
※玉串とは、榊(さかき)などの常緑樹の小枝に、紙のヌサ(幣)と言われるもの、または木綿(ユウと言われるもの)をつけ、神前に供えるものです。地鎮祭だけでなく、あらゆる神事に用いられます。
※玉串奉奠(たまぐしほうてん)については、別ページで画像イラスト入りでご説明しています。玉串料と玉串奉奠へ>>>
8.撤餞(てっせん) につづく
地鎮祭の流れ (つづき)
8. 撤饌 (てっせん)

お供え物をお下げします。

・神職がお供えものをお下げします。
・参列者は、着席したまま静かに見守ります。
9. 昇神の儀 (しょうじんのぎ)

神様にお帰りいただきます。

・全員起立して拝礼をします。
・神職が神様に帰っていただくための儀式をします。
・儀式が終わったら全員着席をします。
10. 閉式の辞(へいしきのじ)
・司会が地鎮祭の終了を告げます。
・参列者は起立して一礼します。
11. 神酒拝戴 (しんしゅはいたい)

お神酒をいただきます。供え物のお神酒や神饌をいただくという意味で「直会(なおらい)の儀」とも言います。

・用意した湯のみまたは紙コップを参列者に手渡し、祭壇にあがっていたお神酒を注ぎます。お神酒が、参列者に行き渡ったら、全員で戴きます。 神職に乾杯のご発声をお願いすることがあります。
12. 儀式の終了後
1.鎮め物は…地鎮祭で神職が納めた「鎮め物」は、一旦、施工業者に預かってもらい、適当な時期に地中に納めてもらいます。神棚の位置が決まっていれば、その下の地面に。或いは建物の中心になる場所の地面に。水まわりの下になる場所は避けます。
2.地鎮祭が終わったら
(1)お供えしていた塩、酒、米、お神酒を土地の四方の方角の土の上に撒きます。神職にやり方を教わると良いでしょう。果物や野菜などは施主が頂いて帰ります
(2)地鎮祭のあとの挨拶回り(地鎮祭の近所への挨拶)
地鎮祭の後、周りの住民の方に、手土産品として1,000〜3,000円程度の菓子折りを持ってご挨拶に回ります。できれば施工会社の人と一緒に回ると良いでしょう。
挨拶の品ののし、あいさつの言葉、挨拶する範囲など詳細はこちらで解説>>>

2. 地鎮祭の所要時間

地鎮祭全体の所要時間は80分〜100分くらいです。
出席する場合には、「地鎮祭は2時間以内に終わる」というくらいの心づもりで予定を組むと良いでしょう。
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3. 地鎮祭を執り行う時間帯(地鎮祭の日取りと時間帯)

地鎮祭を行う時間に決まりはありません。ただし、以下のような考え方があります。

地鎮祭を行うのはいつ?日程と時間帯

六曜によって地鎮祭を執り行う時間帯を決める

本来、地鎮祭を行う時間帯に決まりはありませんので施主の考え方次第なのですが、暦の六曜によって地鎮祭の時間帯を選ぶ方も多いようです。
その一方で、「お祝い事や、参拝・祈祷などの神事は午前中が良い」という考え方も多くありますので、六曜と午前中の掛け合わせで最も多く行われるのは以下の3つの形となります。

[地鎮祭の日取りと時間帯]

① 地鎮祭は大安の午前中に行う
② 地鎮祭は先勝の午前中に行う
③ 地鎮祭は友引の午前中に行う


[地鎮祭の時間帯]

以下は、六曜にのみこだわる場合におすすめの、地鎮祭を行う時間帯です。 

六曜

六曜にこだわる場合に、地鎮祭におすすめの時間帯

大安地鎮祭は午前、午後いずれもOKとされます。
先勝地鎮祭は午前中に行うのが良いとされます。
先負地鎮祭は午前中に行うのが良いとされます。
赤口地鎮祭を行うなら、正午前後が良いとされます。正午を中心に2時間位で予定を組みます。
友引

通常、お祝い事には良い日とされるため地鎮祭を行ないますが、時間帯については[(1) 一日中良い]という考え方をする場合と、[(2) 朝晩は良いが昼は凶]という考え方をする場合があります。
(1)の場合、時間帯はいつでもOKとなります。

(2)の場合、おすすめの朝夕の時間帯とは、午前中なら11時くらいまでには終了するように、夕方なら3時以降に開始するのが良いでしょう。

仏滅地鎮祭は行わない方が良いとされます。
[参考ページ]
・地鎮祭の準備>>>

・地鎮祭のお供え物 セット>>>

・地鎮祭の流れ>>>・(同上) 酒>>>
・地鎮祭ののし袋の書き方>>>・(同上) 持ち帰り>>>
・地鎮祭のお金の入れ方>>>・(同上)乾物>>>
・地鎮祭の挨拶>>>・(同上) 魚,野菜,米,菓子,食べ方>>>
・地鎮祭の服装 女性>>> 
・地鎮祭の服装 男性>>> 
・地鎮祭の服装 会社>>>
・地鎮祭の服装 子供>>>
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・地鎮祭 参列者,費用,流れ>>>
・地鎮祭のお金、相場、工務店への謝礼>>>
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