香典袋の書き方は?注意すべき点と基本マナーを解説(1)

香典とは、線香・抹香や花の代わりに死者の霊前に供えるもので、現金を不祝儀用ののし袋に包んだものをさします。この香典を包む不祝儀用ののし袋は香典袋とも呼ばれます。
香典に使えるのし袋には、宗教によって決まりがあるだけでなく、袋に書く表書きにも決まりがあります。また、中袋には、中に入れた金額を漢数字で書きます。 このページでは、香典袋の表書きと中袋(中包み)の書き方について見本を示し、更に香典の金額の目安をご説明します。
[香典袋の書き方 その他の内容]
3.香典のマナー(不祝儀を贈るときの注意とポイント) 次のページ
4.中袋・中包みの書き方と、お金の包み方 次のページ
   ワンポイント 中袋のない香典袋の場合
5.お香典の相場(香典料の金額のめやす) 次のページ
6.法事とお香典マナー 次のページ
7.香典と御霊前 次のページ
[参考ページ]
※香典袋の種類>>>
※ 香典の金額 相場>>>
※ 香典の金額 相場(祖父・祖母)>>>
※ 香典の金額 相場(兄弟姉妹、兄弟姉妹の義父義母)>>>
※香典の金額 相場(親)>>>
※ 香典の金額 相場(親戚、甥姪、嫁の祖母・祖父)>>>
※ 香典の金額 相場(おじおば、伯父,叔父,伯母,叔母)>>>
※ 香典の金額 相場(いとこ,いとこの配偶者,いとこの子)>>>
※ 香典の金額 相場(友人)>>>
※ 香典の金額 相場(友人の親)>>>
※ 香典の金額 相場(上司、同僚、部下本人、その親・祖父母)>>>
※ 香典の金額 相場(ご近所)>>>
※ 香典 金額の書き方 漢字一覧表>>>
※ 香典 金額の書き方 三千円、五千円、一万円、二万円、三万円ほか>>>
香典返し(ご香典のお礼とお返し)>>>
※ 香典返しを辞退したいとき>>>
※ 職場、会社の香典返し>>>

1.香典の書き方と見本

訃報の知らせを受けたら、香典は通夜または葬式・葬儀のいずれかに香典を持参します。
こうしたお悔みごとのしきたりやマナーは、宗教によって異なるため、注意が必要です。 ここでは、香典の書き方(お香典を入れる熨斗袋の書き方)についてご説明いたします。
●不祝儀の表書きの書き方は宗教によって変わるので最も難しいといえます。一覧表にまとめてみましたのでご覧下さい。
●どうしても葬儀や通夜に出席できずに郵送で贈る場合は、弔電を打ち、現金書留で香典を送ります。必ずお悔やみの言葉を書いた手紙を添えましょう
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香典袋の書き方とポイント

(1)宗教がわからないときの香典の書き方

●香典袋の表書きは故人(または喪家)の宗教に合わせて書きます。本来であれば訃報の連絡を受ける時に先方の宗教を確認し、その宗教に即した表書きを書くのですが、先方の宗教がわからないときに、どんな宗教でも使える表書きは「御霊前」です。御霊前は、通夜でも葬儀でも使えます。
蓮の花の絵がついているものは仏教にしか使えませんのでのし袋の種類にも注意してください。
●香典は、通夜または葬儀(告別式)のいずれかに持参します。
香典の書き方…薄墨を使う
●市販の不祝儀袋に薄墨で表書きを書きます。左記は「御霊前」の香典袋への書き方例です。
●香典袋の種類…水引きは白黒、双銀などの結び切りのものを用います。
●下段には、会葬者のフルネームを書きます。
●薄墨について…おつき合い上、今後また使うこともあるかと思いますし、薄墨専用の筆ペンも市販されていますので一本常備しておくと良いでしょう。
●熨斗袋に蓮の花の絵があるものは仏教用ですので、「宗教がわからない」という時には使わないようにします。

(2) 宗教ごとに異なる香典袋・お香典の書き方

a. 仏教・仏式
●仏教の場合に使う香典の表書きは「御霊前」「御香典」「御香料」、まれに「ご香料」などです。
【御霊前】表書きの書き方/香典の書き方
●市販の不祝儀袋に薄墨で表書きを書きます。
●左記は「御霊前」の香典袋への書き方例です。
●香典袋の種類… 水引きは白黒、双銀などの結び切りのものを用います。
●下段には、会葬者のフルネームを書きます。
●香典袋にもいろいろな種類があります。
蓮の花の絵が印刷された(描かれた)熨斗袋は仏式用です。
もちろん、蓮の花のない熨斗袋も使えます。
※参考情報…「御佛前」(または御仏前、ご仏前)
御仏前という香典表書きは、一般的には四十九日の法要以後に使います。
(参考:御霊前と御仏前の違いは>>>
b. キリスト教式
●キリスト教式の場合に使う香典の表書きは「御霊前」「御花料」などです。
【御花料】表書きの書き方
●香典袋にもいろいろな種類があります。のし袋を選ぶ場合、ユリの花、十字架などの絵が印刷された(描かれた)熨斗袋はキリスト教式用です。
●下段には、会葬者のフルネームを書きます。
c. 神道
●神式の場合に使う香典の表書きは「御神前」「御玉串料」「御榊料」などです。その他に「御霊前」は宗教を問わず使えるとされています。
【御神前】【御玉串料】【御榊料】などの書き方
●香典袋の種類…香典袋にもいろいろな種類があります。神式では無地の熨斗袋に白黒または双白もしくは双銀の水引きのものなどを用います。
●下段には、会葬者のフルネームを書きます。
※参考情報…●玉串料と玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法については別ページで詳しく説明しています>>>
d. 宗教がわからないとき
●香典は、通夜または葬儀(告別式)のいずれかに持参します。
●先方の宗教に合わせて香典袋の表書きを書きます。先方の宗教がわからないときに、どんな宗教でも使える表書きは「御霊前」です。御霊前は、通夜でも葬儀でも使えます。

(3) 香典袋の下段の名前の書き方

●下段には、会葬者のフルネームを書きます。
文字がバランスよく配置されるようにします。
●夫の出張などで、妻が代理で会葬する場合には、上の画像の見本一郎内のように、
「内」を小さく書き添えます。
会葬者名簿にも同じように書きます。
●連名の場合の書き方です。ご夫婦揃って会葬する場合、夫の氏名だけでも良いのですが、故人とご縁が深かった場合には連名で出します。
※ワンポイント…
夫婦連名および
妻の旧姓について>>
● 会社の社長名で香典を出す場合には左記のようになります。どうしても一行に収まらないばあいには、行を分けて書くことになりますが、氏名は中央にくるようにします。
●会社などで、上司の代理で会葬する場合には、山本一郎代のように、
「代」を小さく書き添えます。会葬者名簿にも同じように書きます。
●会社名の書き方
会社名だけで香典を出すことはあまりありません。取引先の方が亡くなった場合でも、遺族に対して故人との間柄が伝わるように、会社名を右に書き添えて社長名で出したりします。
●会社の上司の代理で会葬する場合、もし上司の名刺を預かっていれば、その上司の名刺の右上に「弔」と記し、左端か下隅に「上司の代わりにご会葬をさせて頂きます。鈴木花子」と小さく書き添えて受付に渡しましょう。
●連名で香典を包むとき
・3名までなら…例えば 職場で連名で香典を出す場合、3名まででしたら、会社名を書いてから右から順に目上の人→目下の人へと書いていきます。
・3名以上の場合…人数が3名以上の場合には、左の見本のような書き方があります[左の見本は(2)の例です]。
(1)表書きには中央に「佐藤太郎」その左に他五名などと書きます。
(2) 職場で連名にする場合には「○○株式会社 経理部一同」などと書き、中袋に下記のような明細を入れます。
[中袋に入れる明細の書き方例]
経理部一同 
 佐藤太朗 五千円 
 鈴木二郎 五千円
 高橋三郎 五千円
 田中史郎 五千円
 渡辺五郎 五千円
 伊藤六朗 五千円
左記の明細の例は、職場の人たちで香典を包む際の連名の場合の書き方の見本ですが、友人一同などの場合には、あとで遺族がお礼状を書きやすいように各自の連絡先住所も明細に記載します。
(左記の見本はページ作成の都合上横書きになっていますが、縦書きが一般的です)
●夫婦連名について
結婚している夫婦の場合、夫の氏名だけで香典を包むのが一般的です。しかし以下のような場合には、夫婦連名で香典を包むことがあります。
(1)夫婦揃って会葬する場合
(2)妻の親族の通夜・葬儀・法要に夫婦揃って会葬する場合
●旧姓について
結婚して間もない場合でも新しい性で氏名を書くのが正式です。しかし、下記のような場合には、故人との間柄によっては旧姓を書き添えることもあります。
(1)結婚式や披露宴にお招きできなかった相手で、かつ「結婚の報告や結婚の挨拶状」が間に合わない相手の場合、表書きは新しい姓で氏名を書きますが、旧姓を書き添える事もあります。旧姓の書き方には以下の方法があるようです。
いずれも、相手との間柄を良く考えて使って下さい。
 [旧姓の書き方]
 a.表書きは新しい姓で書きます。中袋に住所氏名を書く際に、中袋の氏名の横に旧姓を書き添えます。
 b.略式の香典袋で中袋のないタイプを使う場合、氏名の左脇に小さく「旧姓 ◯◯」と書き添えることがあります。
 c.表書きは新しい姓で氏名を書き、裏面に旧姓を小さく「旧姓 ◯◯」と書き添えることがあります。

2.死亡の連絡がきたら(訃報を受けたら)

故人や遺族とのおつきあいの深さにより弔問の時期や方法が違います。
親しい友人や近い親戚の場合はできるだけ早くかけつけます。一般的な友人、知人、会社関係の場合は、通夜以降に弔問する方が良いでしょう。
 連絡を受けたら、お悔やみを述べるとともに、通夜、告別式の日時、場所、宗教を確認することを忘れないで下さい。
香典は通夜または葬儀のどちらかに持参します。もし通夜のときに香典を持参した場合には、葬儀では記帳のみを行います。
葬儀またはお通夜のいずれにも参列できない場合や、勤務先など仕事関係者は弔電を打ちます。弔電を打つ場合の宛先は、喪主宛または「故○○○○様ご遺族様」となります。
(※参考ページ…弔電の打ち方>>>

▼訃報を聞いてすぐに駆けつける場合のマナー

ポイント備考
●死亡の連絡を受けたら、
 ・血縁関係の近い親族
 ・特に親しい友人、
 ・交流の深かった知人
の場合には、通夜の前にできるだけすぐに弔問に駆け付けるのがマナーです。
 ・会社関係者
 ・一般的な知人や友人
の場合には、むしろ準備が整った後で通夜の席に弔問する方がよいでしょう。
●派手な服装でなければ、地味めの普段着やそのままの服装でかまいません。
●すぐに駆けつけるので香典などは持参しません。(香典は通夜または葬儀に持参します)
●親しい友人や知人であれば「何かお手伝いできることはありませんか」と申し出てもよいでしょう。
●長居はしないようにし、お悔やみを述べたら、あらためて出直すことを伝えて帰るようにします。
●一般的には玄関先でお悔やみの言葉を述べてすぐに失礼するようにします。
● ご遺族への挨拶の例
「このたびは突然のことで本当に大変でした」
「このたびは本当に突然のことでお悔やみを申し上げます」など。
●遺族にすすめられたら上がってお線香をあげる。
●故人との対面をすすめられた場合、「お別れをさせていただきます」などと答えます。基本的には断らないのがマナーです。
顔にかけた白布は遺族がはずすので、勝手にとらないようにしましょう。
遺族が白布をはずしたら故人に向かって手を合わせ冥福を祈ります。

▼通夜に伺う場合のマナー

ポイント備考
●訃報(死亡の通知)を受ける時には、通夜の日時、会場および告別式の日時、会場を必ず確認します。宗教も忘れずに尋ねておきます。
●香典は通夜または葬儀のいずれかに持参します。宗教によって不祝儀袋の表書きが違うので注意しましょう。
どの宗教でも使えるのは「御霊前」です 。
●通夜の開始10分前には式場に行くのが礼儀です。
【通夜 のページへ】
●「通夜」という名称が使われるのは仏教だけではありません。
●神式では「通夜祭」と、続いて 行われる「遷霊祭」があります。
●キリスト教でも通夜の儀式があります。

▼通夜または、葬儀に参列できないとき

ポイント備考
●通夜またはお葬式・葬儀に出席できない時には弔電をうちます。通夜または葬式の香典は別途現金書留などで送るようにします。
●弔電 (お悔やみ電報)の宛先は喪主宛(もしくは「故◯◯◯◯様ご遺族様」)あてになります。宛先の名前はフルネームにします。
 NTTの電報は115。
【弔電の文例ページへ】
●式場が寺や斎場の場合は、弔電の宛先住所もそちらあてに送ります。
●香典はお悔やみの手紙を添えて、なるべく早く現金書留などで送ります。
【香典を送る・郵送時のお香典の入れ方】
現金を香典袋に入れ、表書きを通常の不祝儀袋と同様に書きます(例えば上段を御霊前、下段を佐藤一男)。そのまま現金書留の専用封筒に入れます。便箋にお悔やみの手紙を書き、これも現金書留の封筒に入れ、郵便局の窓口などから送ります。
【遺族への手紙の書き方文例(お悔やみの文面)】
「突然の訃報に驚いております。遠方のためご葬儀に参列できず申し訳ございません。
ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますと共に、私も遥かな地より故人の御冥福をお祈りしたいと存じます。」など)
●弔電(電報)は文例もありますが、自分で考える時は、忌み言葉(=不幸が重なることを意味するといわれてさける言葉…かさねがさね、重ねる、くれぐれ、また、次々など)を使わないように注意します。
 なお、弔電は友引でも送ってかまいません。
【弔電の文例ページへ】
●お通夜(お通や)についての服装やマナーはこちらのページで紹介しています。
【通夜のページへ】
●弔電のお返し……弔電のみを頂いた場合には、お返しは必要ありませんが、お礼の手紙(お礼状)を出します。
【会葬礼状・香典礼状…葬儀のお礼状へ】

3.香典のマナー
(不祝儀を贈るときの注意とポイント)

●香典として不祝儀袋に入れるお金は「新札は使わない」という習慣が古くからあります。
現代ではこだわらないという考え方もありますが、ご遺族の中には年輩の方もいらっしゃいますので旧習に従ったほうが無難でしょう。
●もし新しいお札しか持ち合わせがないときには軽く折り目をつけてから香典袋に入れます。しかし程度といものがあり、あまりにもくしゃくしゃのしわしわのお札を用いるのはむしろ失礼にあたります。
【不祝儀の相場…お金のページへ】

通夜または葬儀に伺う場合の香典の出し方

●受付でお悔やみの言葉を述べ、記帳するときに香典もわたします。香典の渡し方のマナーを下記にご紹介します
●受け付けでのお悔やみの言葉の例と香典の渡し方
1)受付で「このたびはご愁傷様でございます」とお悔やみを述べます。
2)受付係が「お忙しいところご会葬頂き恐れ入ります。こちらに記帳をお願いします」などと言いますので、まずは記帳をします。
3)記帳を済ませたらふくさから香典を取り出し、先方から見て名前が読めるように袋の向きを改めて「どうぞ御霊前にお供え下さい」と一言添えて香典を渡します。香典は必ず両手で差し出します。一礼して受付の前を去ります。
●場合によっては、記帳と香典を渡す順序が前後します。
1)受付でふくさから香典袋を取り出し「このたびは御愁傷様です」といって受付係に手渡します。香典は必ず両手で差し出します。
2)受付係から「御丁寧に恐れ入ります。こちらに記帳をお願いします」と指示されますので、記帳をします。
3)記帳を済ませたら一礼して受付を去ります。
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5.お香典の相場(香典料の金額のめやす) 次のページ
6.法事とお香典マナー 次のページ
7.香典と御霊前 次のページ
※ 香典返し(ご香典のお礼とお返し)のページへ
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