初詣・初詣で》初詣はいつまでに行けばいい?参拝の正式な作法

初詣で(はつもうで)・初詣とは新年になって、お正月に初めて神社やお寺、寺院に参詣することを言います(初参りとも言われます)。
ふだんの暮らしの中でも合格祈願や商売繁昌祈願、安産祈願など、神社にお参りする機会は多いと思いますが、参拝のしかたにも正式な作法があるのをご存じでしょうか。
このページでは、初詣での由来や神社での参拝、初詣はいつまでに行けばいい?等について説明します。

1.初詣でとは(初詣とは・初参り・初参詣)

初詣でには、これから始まる一年間が良い年であるようにという祈りがこめられています。
また、年ごとに縁起の良い方角があり、自分の住まいから見て吉方にある神社、寺院にお参りする「恵方参り(えほうまいり)」のならわしも残っています。
【このページのトップに戻る】

1-1.初詣で・初詣の由来について

・初詣でとは・初詣とは
新年になって、正月に初めて神社やお寺、寺院に参詣し、その一年の幸せを祈願することを初詣で(はつもうで)と言います。
(初参り=はつまいりとも言われます)
・初詣での時期はいつまで?初詣はいつまでに行けばいい?
・初詣で・初詣の時期については、諸説あります。主なものは以下の通 りですが、時代とともに、(1)から(3)へと考え方が変化してきたようです。
(1)元旦(1/1)の参詣を初詣という
(2)三が日(1/1〜1/3)の参詣を初詣という
(3)松の内(1/7まで)の参詣を初詣という
元旦の初詣では、例えば東京の明治神宮や、福岡の太宰府天満宮、京都八坂神社など、どの神社でも大勢の人出が予想されるため、元旦を避けて別の日にという参拝者が増えてきたからかもしれません。
・初詣での意味
さて。初詣でには、2つの説があります。
1つは、後述する恵方参りが初詣でになったという説。
もう一つは、神道の年籠り(としごもり)が初詣でになったという説です。
・もともとお正月は神道の儀式です。各家庭では、その年の福をつかさどる歳神様に鏡もちをお備えし、門松をたててお迎えし、おせち料理を作ってその年の豊作や家内安全などを祈ってきました。
・家長とともに、歳神様からのお下がりであるおせち料理を頂いたあと、歳神様のいる方角にある神社、寺院にお参りするというのが恵方参りです。
(=恵方(えほう)といい、縁起の良い方角と考えられてきました)
・年籠り(としごもり)とはもう少し古くからある慣習で、氏子である家長たちが、その土地の氏神様をまつった神社にこもり大晦日から元旦にかけて豊作や家内安全を祈願する行事でした。大晦日から元旦にかけて神社にこもることが、大晦日から元旦にかけてお参りする習慣へと変化したとも考えられています。
・大晦日から元旦に切り替わる深夜24時(0時)を跨いでするお参りを二年参りとも言います。
なお、除夜の鐘は、神道というよりも仏教の儀式が現代まで残ったものと思われます。

1-2.恵方参り(えほうまいり)とは

還暦祝いのページでもご紹介している六十干支(ろくじゅうかんし、ろくじゅっかんし)を思い出して下さい(下記表参照)。
・六十干支とは、十二支(じゅうにし)と、十干(じゅっかん)を組み合わせたもので、全部で60通りの組み合わせがあります。
・恵方参りとは、自分の住まいからみて恵方にある神社、寺院にお参りすることを言います。
・恵方とは、縁起の良い方角という意味で、その年の十干に応じた恵方・吉方にお参りすると縁起が良いとされ、恵方詣とも言われます。
かつての初詣では、恵方詣でであったと言われています。

・恵方は、年ごとに異なりますが、六十干支の頭につく「十干」で決まります。
・恵方参りの考え方は、
歳神様(としがみさま)、
歳徳神(としとくじん)、
年徳様(としとくさま)
などと呼ばれる「その年の福を司る神様」にお参りするという習慣から来ています。
※余談ですが、関西などでは、節分の日にその年の恵方の方角に向かって太巻き寿司を丸かじり(丸かぶり)する風習があるそうです。筆者の知人に京都の人間がおりますが、縁起の良い七種類の具を太巻きにするのだそうです。節分の行事なので、初詣でとは無関係ですが、恵方・吉方を大切にするという考え方は共通しています(2009年加筆)。
(ここ数年、CMなどにより恵方巻きの習慣は全国的に知られるようになりました。2014年加筆)

1-3.西暦と60干支と恵方一覧表

恵方は、南南東、東北東、西南西、北北西の4つの方角が順番に回ってきます。
この4つには規則的にまわってきます。(下記1-4
西暦干支 番号は60干支表と対応恵方(吉方位 )(下記1-4
2018年35.戊戌(つちのえいぬ )丙(ひのえ)南南東
2019年36.己亥(つちのとい)甲(きのえ)東北東
2020年37.庚子(かのえね)庚(かのえ)西南西
2021年38.辛丑(かのとうし)丙(ひのえ)南南東
2022年39.壬寅(みずのえとら)壬(みずのえ)北北西
2023年40.癸卯(みずのとう)丙(ひのえ)南南東
2024年41. 甲辰(きのえたつ)甲(きのえ)東北東
2025年42. 乙巳(きのとみ)庚(かのえ)西南西
2026年43. 丙午(ひのえうま)丙(ひのえ)南南東
2027年44. 丁未(ひのとひつじ)壬(みずのえ)北北西
2028年45. 戊申(つちのえさる)丙(ひのえ)南南東
2029年46. 己酉(つちのととり)甲(きのえ)東北東
2030年47. 庚戌(かのえいぬ)庚(かのえ)西南西
2031年48. 辛亥(かのとい)丙(ひのえ)南南東
2032年49. 壬子(みずのえね)壬(みずのえ)北北西
2033年50. 癸丑(みずのとうし)丙(ひのえ)南南東
2034年51. 甲寅(きのえとら)甲(きのえ)東北東
2035年52. 乙卯(きのとう)庚(かのえ)西南西

1-4. 恵方はこの方角!(十干と恵方位との関係。西暦と十干と恵方 対応表)

西暦の末尾十干恵方
0,5年庚(かのえ)、
未(きのと)
庚(かのえ)西南西
1,3,6,8年辛(かのと)
癸(みずのと)
丙(ひのえ)
戊(つちのえ)
丙(ひのえ)南南東
2,7年壬(みずのえ)
丁(ひのと)
壬(みずのえ)北北西
4,9年己(つちのと)
甲(きのえ)
甲(きのえ)東北東
上記の恵方は、方角を24等分したもので、北から時計回りに24等分した方角のうち庚(かのえ)、丙(ひのえ)、壬(みずのえ)、甲(きのえ)の4つの方角だけが恵方とされます。恵方は5年ごとに同じように巡ってきます。

十干 と 十二支(じゅっかん・じっかん と じゅうにし)

十干
きのえきのとひのえひのとつちのえつちのとかのえかのとみずのえみずのと
十二支
うしとらたつうまひつじさるとりいぬ

60干支

01.
甲子
02.
乙丑
03.
丙寅
04.
丁卯
05.
戊辰
06.
己巳
07.
庚午
08.
辛未
09.
壬申
10.
癸酉
11.
甲戌
12.
乙亥
13.
丙子
14.
丁丑
15.
戊寅
16.
己卯
17.
庚辰
18.
辛巳
19.
壬午
20.
癸未
21.
甲申
22.
乙酉
23.
丙戌
24.
丁亥
25.
戊子
26.
己丑
27.
庚寅
28.
辛卯
29.
壬辰
30.
癸巳
31.
甲午
32.
乙未
33.
丙申
34.
丁酉
35.
戊戌
36.
己亥
37.
庚子
38.
辛丑
39.
壬寅
40.
癸卯
41.
甲辰
42.
乙巳
43.
丙午
44.
丁未
45.
戊申
46.
己酉
47.
庚戌
48.
辛亥
49.
壬子
50.
癸丑
51.
甲寅
52.
乙卯
53.
丙辰
54.
丁巳
55.
戊午
56.
己未
57.
庚申
58.
辛酉
59.
壬戌
60.
癸亥

1-5.初詣の仕方・初詣でのしかたについて

・参拝の作法については、このページの次の項(参拝のしかた)で説明しているとおり、手水舎で手や口を清め本殿に向かい、鈴を鳴らし、ニ礼二拍手一礼の作法で拝礼を行いますが、それ以外に、初詣でに行われることについてご紹介します。
初詣でで行うこと
(1) 古いお札やお守りを奉納する。
◎前の年に一年間お世話になった神様のお札やお守りは、初詣での際に神社に持参して奉納します。
神社では、古いお札やお守りを浄め、焚き上げをしてくれます。
新年になったら、その年の歳神様をおまつりする新しいお札を買い求めます。
◎合格祈願や、子宝祈願など、願いが叶った場合には、こうしたお正月の奉納を待たずにお礼参りをすると良いでしょう。お礼参りのしかたについては、参拝のページでご説明しています。
◎ところで、A神社でいただいたお札やお守りは、例え遠方でもA神社に奉納しなくてはいけないのか?という点について疑問に思ったことはありませんか。遠方で買い求めたものが数年たってしまった場合はどうしよう…ということです。
筆者が福岡県内の神社において神職にたずねたところ、別の神社のものでも丁寧に焚き上げをしておまつりしてくださるそうです。筆者の場合もやむを得ないと考えられたため、県外の神社の分を身近な神社に奉納しました。
神棚から古いお札をさげるとき
(1)手や口を清めます
(2)神棚に手を合わせ、心の中で一年間お世話になったお礼を唱えます。
(3)古いお札を下げ、半紙、白い紙、和紙などで包みます。
(2)絵馬を奉納する

◎願いごとを書いて奉納すると願いがかなうと言われています。もともとは本物の馬を奉納したものが、絵に描いた馬となったとされていますが、現代では絵馬の絵柄にはその年の干支が用いられることも多くなっています。
 

(3)破魔矢を頂く、買い求める
◎厄除けの力を持つとされるお正月の縁起物の一つです。
 
(4)初正月の縁起物を買い求める
◎赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月を初正月と言います。地方によっては、初正月に男の赤ちゃんに破魔弓を、女の赤ちゃんに羽子板を贈る風習があります。これらはいずれも厄除けや無病息災を願う縁起物です。
破魔矢は比較的多くの神社で暑かっていますが、破魔弓、羽子板については、販売していない神社もあります。
 
(5)おみくじをひく、奉納する
◎その年の吉凶を占うものとしておみくじがあります。 漢字で書くと「御神籤」「御御籤」などとなります。
◎おみくじに書かれていることを信じる、信じないは各人の自由であり、特別な決まりはありません。おみくじについては、その神社に結んで帰る人が多いのですが、境内の植栽に勝手に結ぶと樹木の生育が悪くなることから、決められた場所に、適度なマナーをもって結ぶようにします。
「凶みくじのみ結んで帰り、吉みくじは持ち帰る」「願いがかなう=実を結ぶように、おみくじはすべて結んで帰る」など、諸説あります。
 
(6)初詣での帰りは寄り道をしない。
◎一説によると、せっかく神社仏閣に初詣でをしたのだから、福をこぼさないように、まっすぐに帰宅せよ(いただいた福はすべて持ち帰れ)という説があります。
事の真偽は定かではありません。「家族や恋人や友人と、おいしい物でも食べて帰る」…というのもアリでしょう。
しかし、日本の歴史の中で元旦でもお店が営業するようになったのはごく最近の事です。 昔の人はお札やお守りを懐に大事にしまって、まっすぐ帰宅したことと思われます。
 
(7)喪中の場合の初もうで
◎喪中の場合でも初詣でに行ってもよいのでしょうか、という問い合わせを良く頂きます。
上記の初詣での由来のところで述べたように、お正月は、神道の行事です。ですから、喪中の方でもお寺にお参りするのはOKです。
◎神社に関しては、地方によっても、また、神社によっても考え方が異なります。喪中の場合、人が沢山集まる賑やかな場所に足を運ぶのは気がひけるかもしれませんが、忌明け(仏教なら49日、神道なら50日祭)を過ぎれば服喪中であっても初詣でをしても良いという神社もあります。
一番確実なのは、初もうでに行きたい神社に問い合わせることですが、新しい年の一年間の幸せを祈るのが初詣での目的ですので、ご家族で相談されるのも良いと思います。
※参考ページ「喪中の新年の挨拶」>>

2.参拝のときに使う用語

神社の境内には、いろいろなものがあります。
代表的なものを下記にご紹介します。それぞれ、なんという名前なのか、どのようにして使うのか、ご存じですか?
【このページのトップに戻る】
参拝にかかわる用語の解説
名称と画像説明

2-1. 手水舎(ちょうずや、てみずや)・お水舎(おみずや)

・ 神社の境内にある、参拝者が身を浄めるための施設を手水舎と言います。
浅草の浅草寺のものはお水舎(おみずや)と呼ばれています。
・ 参拝の前には、以下のようにして手と口を清めます。
(1)まず右手に柄杓(ひしゃく)を持ち、左手を洗い清めます。
(2)柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
(3)再び持ち替えて柄杓を右手に持ち、左のてのひらで水を受けて口をすすぎます。柄杓に口をつけて口をすすぐことのないように注意してください。
(4)左の手のひらを清めます。
(5)最後に柄杓を縦にして、自分が持った柄の部分に水を流し、元の位置にもどします。

2-2. 鈴(すず)

・ここでいう鈴は、巫女が神楽を舞う時に持つ巫女鈴ではなく、神社の拝殿の前、賽銭箱の上あたりにあり、上から吊るされている鈴をさします。参拝の時に必ず鳴らします。
・鈴には、もともと呪力があると考えられてきました。拝殿で鈴を鳴らすのにはお祓いの意味があるとされます。
・ 賽銭を賽銭箱に入れ、鈴をならしてから、拝礼を行うのが一般的です。
※拝礼の仕方については、このページの下の方で詳しくご説明しています。

2-3. 絵馬(えま)

・古来、馬は神様の乗り物と考えられていたため、本物の馬を奉納していました。しかし、本物の馬は高価であるだけでなく、奉納される側も設備や世話などの面で大変なため、平安時代の頃から次第に馬を書いた絵で代用されるようになりました。
・その後、境内に絵馬堂が設けられ、絵に描いた馬や武具などを奉納するようになりました。金比羅宮の絵馬殿では、絵馬の代わりに船の絵や写真がおさめられ、漁や航海の安全が祈願されているのはテレビなどでも紹介され、ご存じの方もいらっしゃると思います。
・現在では、絵馬もぐ〜んと小振りになり、庶民でも奉納できる身近なものになりました。神社や寺院に参拝する際に、絵馬に具体的な願いごとを書いて奉納すると願いがかなうとされています。

3.参拝の仕方[1]ふだんの参拝の作法

 
本殿で神主さんにご祈祷やお祓いを受けるときではなく、自分で参拝するときの参拝のしかたについてご説明いたします。
【このページのトップに戻る】

ふだんの参拝の仕方・手順

項目

説明

① 鳥居をくぐる前に
 服装の乱れを整えます。
② 鳥居をくぐる時
 神社などでは、神様が祭られている場所に入る際に、神様を敬う気持ちを表わすために軽く会釈をして境内に入ります。
③ 手水舎で身を浄める
 境内の手水舎で、身を清めます。
1)まず右手に柄杓(ひしゃく)を持ち、左手を洗い清めます。
2)柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
3)再び持ち替えて柄杓を右手に持ち、左のてのひらで水を受けて口をすすぎます。柄杓に口をつけて口をすすぐことのないように注意してください。
4)左の手のひらを清めます。
5)最後に柄杓を縦にして、自分が持った柄の部分に水を流し、元の位置にもどします。 柄杓は伏せておきます。
④ 参拝のしかた・お参りのしかた
 
1)神前に進み、姿勢を正します。
2)(賽銭を賽銭箱に入れます。)
3)鈴を鳴らします。
4)もう一度姿勢を正します。
5)二拝二拍手一拝の作法(ニ礼二拍手一礼の作法、あるいは、再拝二拍手一拝の作法とも言う)で拝礼を行います。
 (5-1)90度の礼で、二回拝みます。
(5-2)胸の前で二回、拍手をします。
(5-3)もう一度90度の礼で、一回拝みます。

※拍手(はくしゅ)は、鈴と同じように邪気を祓う意味や、神様を呼び出すためと言われます。「かしわで」と言われることがあります。
※上記は神社での拝礼のしかたです。寺院では手を合わせ合掌するだけで拍手はしません。
⑤ 鳥居をくぐる時
 向きを変えて、軽く会釈をして境内を出ます。

4.参拝の仕方[2]正式な参拝の作法

本殿で神職からご祈祷やお祓いを受けたりする正式参拝・昇殿参拝のしかたについてご説明いたします。
七五三の時や、赤ちゃんが生まれてから参拝するお宮参りのときなどにも、参考になさって下さい。
【このページのトップに戻る】

正式な参拝の仕方・手順

項目

説明

1 申し込み・予約
 ・社務所、祭儀所などにご祈祷やお祓い、祝詞奏上(祝詞を上げてもらう)の申し込みをします。
新年の初詣での御祈祷をはじめ、日柄の良い日の祈祷やお祓いは、電話などで事前に予約するか、問い合わせをすると良いでしょう。
2 初穂料、玉串料を用意(神社に渡す謝礼を用意しておく)
 ●神社に渡す謝礼の表書きとしては、「御初穂料」「御玉串料」「御礼」「御祭祀料」「御祈祷料」などがあります。
一般的に良く用いられるのは「初穂料」「玉串料」「御礼」です。
●初穂とは、その年の最初に収穫された稲、穀物などの農作物をさし、神仏への捧げものとして毎年奉納されていました。現在ではその代わりとする金銭を初穂(はつほ)、初穂料、お初穂料などと言います。
◎初穂料……通夜際、葬儀(葬場祭)、各種祝い儀式(七五三、お宮参り)、結婚式、各祈祷、厄払い、地鎮祭の際に神社に納める謝礼として金銭を渡す際の表書きに用います。
また、お守りや、お札を神様から授かる時にも「初穂料」という言葉を使います。
●玉串とは、榊の枝に紙垂をつけたものをさし、神社において、参拝者や神職が神前に捧げるものです。玉串の代わりとして納める金銭を玉串料と言います。
◎玉串料…………通夜際、葬儀(葬場祭)、各種祝い儀式(七五三、お宮参り)、結婚式、各祈祷、厄払いの際に神社に納める謝礼として金銭を渡す際の表書きに用います。
また、通夜際、葬儀(葬場祭)に参列する人が持参する香典の表書きにも用います。
●表書きの書き方

◎神社での正式参拝(祝詞をあげてもらう・祈祷やお祓いを受ける)の際に神社に渡す謝礼は、白赤の蝶結びの熨斗袋に入れて用意をします。
白封筒でもOKです。
◎のし袋に入れる場合、水引きは蝶結びのものを用意します。「のし」はなくても構いません。ここでいう「のし」とは、右図の熨斗袋の右端にある赤い紙を折り畳んだ部分をさします。

◎表書きは「御初穂料」「御玉串料」「御礼」などです。
◎下段には、祈祷を受ける人の姓、氏名、会社の場合は正式社名にならべて社長名を書きます。
◎ 七五三の際に祈祷を受けるなら、下段は子どもの名前を書きます。地方によっては、年齢も書き添える地方もあります。お宮参りなら、下段は赤ちゃんの名前になります。

●初穂料の金額、玉串料の金額のめやす
神社によっては、料金を規定しているところもあります。事前に電話などで問い合わせることをおすすめします。
合格祈願、安産祈願、交通安全、厄よけ、お宮参り、七五三など、それぞれの目的によって異なりますが、個人が参拝する場合のご祈祷料、初穂料、玉串料の相場は、5,000円〜が大半です。会社の場合は10,000円〜が多いようです。
御祈祷を受ける人数によっても異なります。
神社によっては、祝詞奏上や祈祷や厄払いのあと、お守りや縁起ものなどを「おさがり」として下さる場合もあります。そうした場合は祈祷料として10,000円くらい必要です。
(規定料金を設定している場合、5,000円からというところが多いようですが、学業成就などについては、3,000円や4,000円で祈祷をしてくれる神社もあります)
3 鳥居をくぐる前に
 服装の乱れを整えます。
4 鳥居をくぐる時
 神社などでは、神様が祭られている場所に入る際に、神様を敬う気持ちを表わすために軽く会釈をして境内に入ります。
その後、参道を歩いて本殿の方に向かいますが、参道の中央は神様が通るところとされています。中央を通らず、端を歩きます。
5 手水舎で身を浄める
 境内の手水舎で、身を清めます。
1)まず右手に柄杓(ひしゃく)を持ち、左手を洗い清めます。
2)柄杓を左手に持ち替えて右手を清めます。
3)再び持ち替えて柄杓を右手に持ち、左のてのひらで水を受けて口をすすぎます。柄杓に口をつけて口をすすぐことのないように注意してください。
4)左の手のひらを清めます。
5)最後に柄杓を縦にして、自分が持った柄の部分に水を流し、元の位置にもどします。 柄杓は伏せておきます。
6 正式参拝のしかた
 
1)事前に予約をしてある場合には、社務所に声をかけます。予約をしていない場合には、社務所に正式参拝を申し込みします。
2)拝殿(または本殿)に案内されます。拝殿に上がる前には軽く礼をします(一揖する=いちゆうする。浅いおじぎのことを言います)
3)神職の指示に従って、指定された場所で待ち、姿勢を正します。
4)神職が祝詞を奏上している間は、心を静かにしてじっと耳を澄ませます。目を閉じても構いません。
5)神職または巫女さんから玉串を受け取る時は、右手で榊の根元をもち、左手で中ほどを持ちます。
 (5-1) 祭壇の前に進みます。
(5-2) 玉串を右に回転させ、手前に根元を持ってきます。
(5-3) また右に玉串を回転させ、根元を祭壇の方に向けます。
(5-4) 玉串を祭壇に捧げます(神に捧げます)。
 ※玉串を神に捧げることを玉串奉奠(たまぐしほうてん)と言います。
玉串奉奠のしかたは別ページで詳しくご説明しています>>>
6)一歩下がって、もう一度姿勢を正します。
7)二拝二拍手一拝の作法(ニ礼二拍手一礼の作法、あるいは、再拝二拍手一拝の作法とも言う)で拝礼を行います。
 (7-1) 90度の礼で、二回拝みます。
(7-2) 胸の前で二回、拍手をします。
(7-3) もう一度90度の礼で、一回拝みます。
8)もとの位置に戻ります。
※拍手(はくしゅ)は、鈴と同じように邪気を祓う意味や、神様を呼び出すためと言われます。「かしわで」と言われることがあります。
※上記は神社での拝礼のしかたです。寺院では手を合わせ合掌するだけで拍手はしません。
7 本殿を出る
 向きを変えて会釈をして本殿を出ます。
8 鳥居をくぐる時
 向きを変えて、軽く会釈をして境内を出ます。
※はみだし知識…神社に渡す謝礼は玉串料、初穂料と言います。お寺の僧侶に読経などの謝礼として渡すものはお布施と言います。

5.振袖での所作・マナー(着物での所作・マナー)

●着物での所作・マナー
ふだん、着物を着る機会が少ない女性でも、日本の伝統的な衣装である着物を着ることで、晴れて大人になった喜びに身が引き締まることでしょう。着物を着ると歩き方や所作も女性らしくなります。着物が初めてという方も基本的な動作だけは頭に入れておきましょう。
以下に、振袖・着物を着た時に美しく見える所作やマナーをご紹介します。
【このページのトップに戻る】

着物を着ている場合のマナー

振袖・着物での所作着物の場合の所作のポイント
●車の乗り降り
 ・振袖の場合、袖を二枚まとめて左手で持ちます。座席シートには、まずお尻が腰掛けるようにし、右前裾(すそ)がはだけないように右手でおさえながら、身体を回転させて腰掛けます。袖は膝の上に置いておきます。
・着物の場合、美容院や成人式の会場への送り迎えのときに車やタクシーなどに乗る機会が多いと思います。ヘアメイクがくずれないようにドアの高さにも注意して下さい。
●イスに腰かける
 ・袖を二枚かさねて左手で持ちます。イスには、まずお尻が腰掛けるようにし、右前裾(すそ)がはだけないように右手でおさえながら、しずかに腰掛けます。
足は膝から下を垂直よりもやや後方に引きつけます。
・帯がくずれますのであまり深く腰掛けないようにします。小ぶりのイスのときなどは、腰の後ろにバッグを置くと良いでしょう。
・腰をおろしたら、袖が汚れないようにひざの上に重ねておきます。さらに、汚れないようにその上にハンカチを広げます。
●グラスを持つ
 ・グラスを持つ時は、高くかかげると袖口が開いて見苦しいものです。乾杯をする場合は、右手でグラスをもち、左手で袖口を押さえます。
●階段の昇り降り
 ・(振袖の場合は袖を二枚まとめて左手で持ちます。)右前裾(すそ)がはだけないように右手でおさえながら、ゆっくりと昇り降りをします。
・草履を履き慣れない場合は、階段にさしかかる前に一旦立ち止まり、少し深めに草履を履くことをおすすめします。意識してゆっくりと動作しましょう。
TOPページに戻る