時候の挨拶 9月 ビジネス》上旬・中旬・下旬・書き出しと結び

9月の時候の挨拶ビジネス

ビジネスの手紙やビジネス文書に使う9月の時候の挨拶・9月の季節の挨拶のページ。

時候の挨拶は季節をあらわす挨拶の言葉として、手紙やはがきの挨拶文・書き出しや、メールの冒頭に使われ、ビジネス文書の冒頭などにも用います。季節感を表す言葉を書くことにより、相手の心に情景を呼び覚まし、季節の移り変わりを共に感じることができます。

ビジネスの手紙やビジネス文書で用いる九月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/月末)を掲載します。

1.9月のビジネスの手紙・9月のビジネス文書

ビジネスの手紙やビジネス文書のうち、9月に書かれる可能性があるものをリストにしてみました。

9月に書かれるビジネスの手紙・ビジネス文書 一覧表

就職イベントの案内
 ・学生の就職を想定した企業紹介やPR活動を行うことがあります。
内定式の案内
 ・内定が決まった学生を招き「内定式」を行う企業があります。内定式は10月1日以降と決められており、その案内を9月に手紙またはメールで出します。
転職イベントの案内
 ・9月は転職イベントが多く開催される時期です。会社説明会や転職イベントの案内は手紙での案内のこともありますが、メールでの案内も増えています。
インターンシップの募集通知
 ・夏休みとなる8〜9月の期間に企業体験をするのがサマーインターンシップです。ネット上で募集する企業も増えていますが、書面で募集する場合もあります。また、学校単位で募集することもあります。
スポーツイベントの案内・通知
 ・9〜11月はスポーツシーズンです。企業主催のイベントの案内を手紙で出すこともあります。メールでの案内も増えています。
飲み会や親睦会の案内・通知
 ・ビジネスの飲み会や親睦会の場合には、主に社内や取引先に対して案内や通知を出します。
・季節柄、バーベキュー大会を催したりやゴルフコンペなどに合わせることもあります。
通常のビジネス文書、案内状、通知状
 ・取引先や顧客に対してビジネス文書や、案内状、通知状を出すことがあります。
個人あてと、法人・企業・職場・団体・自治体・機関あてのケースがあります。

2.9月の時候の挨拶 ビジネス文例(初旬・上旬)

9月初旬・上旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。

(2-1)9月初旬・上旬の時候の挨拶

・残暑(ざんしょ)

残暑は9/8の白露の頃までの手紙や文書に使える

・白露(はくろ)

白露は9/8頃(年によって異なります)なので、9/1〜9/8の手紙や文書に使える

・重陽(ちょうよう)

重陽の節句は五節句の一つで、9月9日のこと。9/1〜9/9の手紙や文書に使える。
ちなみに五節句は、1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日の5つ。
・二百十日(にひゃくとおか)立春から210日目をさし、9月1日ころとされる。稲が開花する時期であり台風襲来の時期でもある。

・二百二十日(にひゃくはつか)

立春から220日目をさし、9月11日ころとされる。二百十日と同様に稲が開花する時期であり台風襲来の時期でもある。
禾乃登(こくものすなわちみのる)七十二候のひとつで、9/2〜9/6頃。 禾は、のぎへんののぎ。「のぎ」または「いね」と読みます。穀類全体をあらわし、それらのものが実る時期をさす。
・野分(のわけ。のわき)主にこの時期の台風、暴風をさす。
・初秋(しょしゅう)秋の初めをさす。

・長月(ながつき)

初旬・上旬に限らず、9月全般に使える

(2-2)9月初旬・上旬のビジネス文例

・個人あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し

拝啓 残暑の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。

拝啓 白露の候 ◯◯様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。

拝啓 重陽の候 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
拝啓 初秋の砌 皆様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。

注)みぎりを漢字で書く場合には「砌」=みぎりと読みます。候と同じく「〜の頃、〜の時期」という意味です。
拝啓 禾乃登の候となり季節がようやく1つ進みました。皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
拝啓 雑節では二百二十日の頃となりました。皆様におかれましては大過なくお過ごしでしょうか。

・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し

拝啓 白露の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

拝啓 重陽の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。
拝啓 初秋の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

・結びの例

(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。)
時偶荒天の折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具
夏の疲れが出やすい頃でございます。ご自愛専一にお過ごしください。敬具
(9/7頃まで)
季節の変わり目につき、皆様のご健康をお祈り申し上げましてご挨拶とさせていただきます。 敬具
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具

3.9月の時候の挨拶 ビジネス文例(中旬)

9月中旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。

(3-1)9月中旬の時候の挨拶

野分(のわけ。のわき)9月上旬から中旬頃の台風や暴風をさす。秋の季語ともなっている。

金木犀(きんもくせい)

開花時期は9月中旬から10月で、秋の訪れを告げる花。9月中旬頃以降に使える
・待宵旧暦8月14日(現代では9月中旬から10月上旬の満月の前日)
・十五夜、満月旧暦8月15日(現代では9月中旬から10月上旬の満月)
・十六夜毎月の16日だが、特に旧暦8月16日(現代では9月中旬から10月上旬の満月の翌日)
<まつよい> 「立待月 <たちまちづき> 」「居待月(いまちづき)」「臥待月(ふしまちづき) <ふしまちづき>」「更待月<ふけまちづき>」毎月の17日〜20日だが、特に旧暦8月17日〜20日をさす(現代では9月中旬から10月上旬の満月の翌々日頃)
立待月 (17日).居待月(18日),臥待月(19日).更待月(20日)をさす。
・仲秋(ちゅうしゅう)陰暦の8月のこと。現代では白露(9/8頃)から寒露(10/8頃)の前日までの間に使える。
・鶺鴒鳴(せきれいなく)七十二候のひとつ。9/12〜9/19頃に使える。
・爽秋(そうしゅう)爽やかな秋のこと。残暑が一段落した9月中旬から10月末くらいまで使える。

・長月(ながつき)

初旬・上旬に限らず、9月全般に使える

(3-2)9月中旬のビジネス文例

・個人あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し

拝啓 仲秋の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。

拝啓 名月の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
拝啓 金木犀咲く頃となりました。 皆様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお喜び申し上げます。

・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し

拝啓 仲秋の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

拝啓 長月の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。
拝啓 爽秋の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。

・結びの例

(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。)

朝夕は涼しくなりましたが、くれぐれもご自愛ください。 敬具

季節の変わり目につきご自愛専一にお過ごしください。敬具
秋雨寡照の折柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具
(秋雨は、8月末〜10月の秋の長雨。寡照は日照が少ないという意味。)
荒天続く折柄、くれぐれもご自愛ください 敬具
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具

4.9月の時候の挨拶 ビジネス文例(下旬)

9月下旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。

(4-1)9月下旬の時候の挨拶

・秋分(しゅうぶん)

秋分は9/23頃(年によって異なります)なので、9月下旬の手紙や文書に使える

・彼岸花秋の彼岸の頃を表す花として用いられます。
ちなみに秋のお彼岸は、秋分の日を中日として前後3日、トータル7日間とされます。
・秋涼秋らしく涼しくなったことを表し、9月全般のなかでも残暑が終わり涼しくなってきたら使えます。
・仲秋陰暦の8月のこと。現代では白露(9/8頃)から寒露(10/8頃)の前日までの間に使える。
・爽秋(そうしゅう)爽やかな秋のこと。残暑が一段落した9月中旬から10月末くらいまで使える。

・長月(ながつき)

初旬・上旬に限らず、9月全般に使える

(4-2)9月下旬のビジネス文例

・個人あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し

拝啓 秋分の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。

拝啓 仲秋の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
拝啓 彼岸花の咲く頃となりました。◯◯様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
拝啓 爽秋の候 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 挨拶文・書き出し

拝啓 秋涼の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

拝啓 長月の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。
拝啓 秋分の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

・結びの例

(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。)

朝夕の寒暖差が大きい時期です。くれぐれもご自愛ください。 敬具

季節の変わり目につきご自愛専一にお過ごしください。敬具
天候不順の折柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具
秋晴れが待ち遠しい毎日ですが、くれぐれもご自愛ください 敬具
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具